早苗の手を引きながら道路をひた走る。あの角を右に曲がり近道になる狭い道を通り抜け、ただただ駆け抜けていく。

早苗「ちょっと、どこへ行くのですか?」
貴方「近道だよ。あの角を曲がれば本来のルートと合流できる。あと少しだ!」

そして俺達は最後のコーナーを曲がる。が、悲劇は起きた。

貴方「あだっ!?」

よりにもよって人とぶつかってしまったようだ。バランスを崩して俺は尻もちをついてしまう。

早苗「ああっ、大丈夫ですか○○さんっ?」

見上げると先程俺がぶつかってしまった人の姿が見える。女生徒であった。見たところ幻想郷学園の生徒なのだろう。腰まで伸びたウェーブした髪の毛は紫色から金色にグラデーションしており、一度見たら忘れられない色合いをしている。

恐らくは上級生なのだろう。全体的な体のラインが大人の女性特有のものとなっている。つまり胸も……ゲフンゲフン。尻もちをついた俺をポカンとしながらじっと見つめている。ああそうだ、ぶつかってしまったのだからちゃんと謝らなくては。

そう思い立ち上がろうとしたが、それよりも早く手が差し伸べられていた。

???「あらあらまあまあ、お怪我はありませんか?」

妙におっとりとした口調ではあったが、どうやら俺の心配をしているらしいことが分かる。反射的に俺は彼女の手を取るとそのまま立ち上がった。そういえば彼女は俺に思い切りぶつかったのに倒れないどころかふらつきすらしなかった。ううむ、不思議なこともあるものだ。

貴方「いててて……遅刻しそうだったから走っていたらぶつかってしまった。ごめんなさい」

自らの尻をはたくとちゃんと謝罪。そんな様子を見ていた彼女は口元を手で押さえながらふふふっと笑う。

???「貴方が『星天郷学園』の生徒さんだった方ですね。男の方がやって来ると聞いていましたが、星天郷の生徒は元気が良いだけでなく礼儀正しくもあるのですね♪ 私は『聖白蓮』と申します。ここ『幻想郷学園』の生徒会長を務めておりますので、もしも学園生活で困ったことがありましたらいつでも頼って下さいね?」

どこかのお嬢様のように上品なたたずまいに俺は見とれていた。だが、早苗さんは何か気になることがあるようで彼女にこんな質問をした。

早苗「でも生徒会長がこんなにギリギリの時間に登校するものなのですか?」

白蓮「うっ……痛いところを突いてきますね。どうやら目覚まし時計の電池が切れていたみたいで……」

生徒会長も人間って事だろう。まあ仕方あるまい。

そうしていると白蓮さんの友達か、それとも生徒会の仲間に連れられて学園へと向かっていく。さて、俺もボーっとしているわけにはいかないな。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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