俺は早苗の手を引きながら汗だくになりつつ新たな学び舎めがけてひた走る。

貴方「よし、このペースで走ればギリギリ間に合うぞ。早苗、あと少しだ!」

よし門はまだ開いている。間に合った、俺達の勝利だ……。

しかし一難去ってまた一難とはこのことか。勢いよく教室へ入ろうとした矢先……。

???「ふんぎゃっ!?」

今度は真っ白いおかっぱ頭の小柄な少女と思い切り正面衝突して、そのままバランスを崩してしまう。体格差からこの後どうなったのかは明白だろう。俺が前に倒れ、小柄な少女が後ろに倒れ込んだのだ。

早苗「ああっ、二人とも大丈夫ですかっ!?」

全てが終わった後で早苗さんが叫ぶが。あまりに遅すぎた。小柄な少女はおおよそ友好的とはいいがたい目つきで俺を睨みつけている。

貴方「ああすまない。遅刻ギリギリだったもので……」
???「このケダモノ! その左手を早くどけなさいっ」

左手……? あっ、神がかった不運というべきだろうか。俺の左手はちょうど彼女の胸の辺りに置かれていたのだ。やべっ、全然気が付かなかった。

???「まったく。時間にルーズだわ、出会い頭に女の子をいきなり押し倒すわ、それだけに飽き足らずこの風紀委員『魂魄妖夢』のむむむ、胸を揉もうとするとは……。星天郷の生徒は野蛮人の集まりだったの?」

今も妖夢と名乗った風紀委員は早口でまくし立ててくる。事故だったんだけどなぁ……。

貴方「その……ぶつかったことは謝るからさ、何もそこまでキツくいう事は……」
妖夢「うるさい、その腐りきった根性、この『楼観剣』で叩き直して……」

何やら物騒な木刀を取り出した矢先、始業のベルが鳴り始めた。た、助かった。こういうのを「ゴングに救われる」というのだろうか? そもそも俺は戦うつもりなど毛頭なかったのだが。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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