最悪の印象を残してしまった妖夢であるが、これでメゲている場合ではない。少しでも早くこの幻想郷学園に馴染まなくてはいけないのだから。

始業式を終え、放課後を迎えるのだが、ほとんどの生徒が家路につく気配を感じない。

教室を覗いてみるとどうやら何かのお祭りの準備をしているようである。

???「んにゅ? 私の『発明部』の出し物に興味あるの?」

背後から急に声を掛けられて俺は変な悲鳴を上げてしまった。

貴方「お、驚かさないでくれよ……」

黒いボサボサ頭には大きな緑色のリボンが結ばれている。胸に輝く大きな赤いブローチが目を引く。そんな彼女はこちらを見ながら指をくわえて首をかしげている。その仕草は稚児のようだが、その背丈はかなり高く、恐らく俺よりも身長がある。

???「あっ、男の人だ。ということは転校生だね。私『霊烏路空』っ、『お空』って呼んでね♪ それじゃあそれじゃあ色々教えてあげないと」

お空と名乗った少女はここ「幻想郷学園」はもともと女学園であったこと、俺達の学園と合併することで共学となったのでまだ男子生徒が少ない事を教わった。あと終始こちらのことを「お兄さん」と呼ぶので、名乗ることにした。

お空「それでね、5月の頭に学園祭をやるんだ。この出し物の良し悪しで部員がどれだけやって来るかがかかっているから手は抜けないわ。あっ、○○も『発明部』に入る? あっ、でも○○は二年生だけど私は一年生。どっちが先輩になるんだろう? うーん……」

貴方「何をする部なのかによるな」

待ってましたと言わんばかりに「発明部」について説明を始める。どうやら既存のものを組み合わせて(本人はフュージョンと呼んでいる)便利な道具を開発するというものらしい」

貴方「えっと、保留でいいかな? どんな発明が出来るのか知りたいし」
お空「そっか……。準備の様子はいつでも見学オッケーだよ、先輩♪」

屈託のない笑顔を見せながら元いた教室へ戻ろうとするが、違う部屋に入ろうとしている。俺は慌てて「こっちじゃないの?」と誘導してあげる。

お空「ごめんごめん。部屋の場所忘れちゃってさ。てへへ……ありがとう♪」

あの子、大丈夫かなぁ……?



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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