ある日の寺子屋での話
第二部
そうして寺子屋最後の日、先生の家での生活が始まった。働くと言ったからには働く。そこで心に誓った。僕は先生と寺子屋から家まで手を繋いで帰った。田んぼか畑ばかりで時々川があったくらいの帰り道、僕の歩調に合わせて歩いたので家につく頃には空が赤くなっていた。夕焼けに染まる空にはピカピカと星が光り始めていた。
家につくと先生は夕食の準備を始めた。僕は
「先生、何かできることない?」とたずねた。先生は
「それじゃあ食卓で待ってて。待つことも勉強だからな。」と言った。僕は正座でじっとしていた。しばらくして先生が料理を机に並べた。寮より少しだけ豪華だった。
「いただきます。」手を合わせて言う。先生はなんだか嬉しそうだった。後から聞いたらいつも一人だから嬉しかったらしい。ご飯はすごくおいしかった。今までで一番おいしいと思った食事だったかもしれない。食事中、先生に自分のことを話した。赤ちゃんの時に孤児院に入れられたことと、寺子屋に来てからは幸せだということを。先生は落ち着いて話を聞いてくれた。僕は自分のことを先生に知ってもらうことが嬉しかった。
食事の後、先生とお風呂に入った。ちょっと恥ずかしかった。妖怪オババ(孤児院のおばさん)とは違って先生は綺麗だった。お風呂では数字を100まで数えた。初めてゆっくり100まで数えたと思う。お風呂から上がると先生は布団を敷いた。一組だけ。先生の家には一組しかなかった。先生は
「私は座布団を枕にして雑魚寝するから布団で寝てくれ」と言ったけど僕は首を横に振った。座布団枕でいいから一緒に寝たいと僕は言った。先生はにっこり笑ってそれを受け入れてくれた。布団に入ると先生は僕を抱いてくれた。僕はお母さんがいたらこんな感じなのかなと思った。優しかった。あと、顔に当たるおっぱいが柔らかかった。
第二部完
慧音「母の愛情もろくに知らずに育ったか。よしよし……」
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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