「ダメだ!僕はあなたのことを知らない…何もせずに白蓮様を解放するまでは、彼をあなたに付けておく!」
青娥は心の中で舌打ちする。
恐らく、このカエルのようなものは安定した◯◯が操る、能力が具現化した「幻影」で、こちらから攻撃するにはこちらも能力を使うしかない。
そして今のこの状況は、彼女にとってはヨダレが垂れるほどに絶好のチャンス。
邪魔者の筆頭の首を抑え、捕まえればこちらから遠方の獲物に攻撃できる「幻影」までいる……利用しない手はない。
そのためには、彼が自分の元に幻影を戻す隙を狙うしかない。
肩にいるこれの力は未知数。もしも青娥の速さを上回って攻撃できるとしたら、今度こそ負ける。
だから「白蓮が助かる」、と安心したその油断を狙う他ない。
どうしても、彼に幻影を戻させなければならない。
青「それは、よくありませんわ。この封印も、ごく小規模なために暴発の可能性があります……緊張感がありすぎるとうっかり……間違えてしまうかも?」
「間違えたらその時は、あなたに本気の攻撃をする。」
青「……話になりませんわ。あなたの言う「彼」のせいで間違えてしまうのに、そうなったら「攻撃する」なんて……」
「さきに僕に攻撃してきたあなたが何を言うんです!人間より遥かに優れた力を持つあなたなら、失敗などせずにいけるハズ!」
青「…なんにせよ、彼女の封印を解くには落ち着くことが先決…これを退かさなければ何も始まりませんわ。」
そこまで言い合うと、◯◯は少し考え……やがて青娥の肩から幻影を手元に戻す。
そして次の瞬間、青娥も動く。
天狗ほどの速さではないが、人間であれば文のように、移動の残滓をやっと見れるほどの速さ……のはずだった。
「「エコーズ」ッ!!」
……今まさに捕らえようとしていた幻影が、青娥の頬を殴り、「バキッ!!」と大きな音が響いた。
「……最初からあなたは信用していなかった。素直に白蓮様の封印を解くとは思えません……まあ、解いたとしても殴るつもりでしたが。」
青「な……何もしないと言ったのに……」
「そんかオイシイ話があると思いましたか?あなたのような人物に……あなたをやっつけることに、罪悪感なし!!」
そして青娥はもう一つ、気になることがあった…先ほどから、殴られた頬が全く痛くない。
殴られた感覚はあるのに、全く痛みがない。
青「(なーるほど……こんなものでしたか…)」
恐らく、この能力は「こけおどす程度の能力」…とでも言おうか。
この殴ったとう行為と、大げさな音で驚き、自分が大きなダメージを受けたと思って倒れる。キョンシーたちはこうして倒したらしいが、青娥には通用しない……
青「(ニヤリ)」
青娥「なるほど、その殴打は……。取引は破棄ですわね。どの道今度こそ引き上げるとしましょう。封印、自分で解けるといいですね。あーっはっはっは……!」
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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