???「久しぶりだね……○○」
相変わらず何も見えない暗闇の中、馬鹿みたいに明るい後光のさした人影が近づいてきた。俺がまどろもうとしていた矢先の出来事である。眠りつつあった俺の脳内に直接声を掛けられるイメージだ。それだけ彼の声は混じりっ気なしの澄んだものであったのだ。
目を開くとそこには白蓮にそっくりな男性の僧侶が儚げな表情を浮かべながらこちらを見ていた。俺はこの男を知っている。バイド異変の時に死の淵をさまよっていた時にもこうやって声をかけられた。
貴方「命蓮……? そうか、今度こそ俺は死んでしまったんだな」
命蓮「いいや、君は生きているさ。銀翼の方はかなり致命的なダメージを受けているようだが、君は健康そのものだ。不思議なこともあるものだね」
あの時と同じだ。俺はいわば夢を見ているような状態なのだろう。
命蓮「幻想郷を覆う未曽有の脅威、それは既に肉体を失って久しい僕の元でもしっかりと感じ取れる。君もそいつにやられたのだろう?」
そう、この一連の異変はSTG世界の住民と青娥が組んだことによって引き起こされたもの。しかし奴はここに来て最後の切り札を繰り出してきたのだ。その切り札こそ、よりにもよってあの「石のような物体」なのである。
命蓮「外の世界に通じていて、そして幻想郷の住民であろうとするのは君くらいだ。この一連の異変を解決できるのは他でもない、○○なのだよ」
貴方「アイツは絶対に倒せない。アイツは地球の意思とか神様とかそういった次元の違う存在なんだ」
俺の記憶ではあの黄金の八面体を完膚なきまでに破壊したという話は聞いたことがない。
命蓮「だけど、君を殺すことはできなかった」
違う、奴はあえて俺を殺さなかったんだ。どことも知れぬ時空へとこの俺を追放した。俺はそう叫ぶも、命蓮はその表情をまるで崩さない。
命蓮「一人で頑張れとは言わないさ。ただ、君は生き続けて、この哀しい運命に抗い続ければいい。そうすれば君に手を貸してくれる存在も出てくる筈だ」
ああ、命蓮の姿が薄くなっていく。夢から覚めるのだろうか。
命蓮「だって、銀翼は『希望を繋ぐ程度の能力』なのだから。一つ一つは小さくてもそれをまとめ上げて巨悪に立ち向かってきたのは他でもない君なんだ。大丈夫、君ならうまくやれる」
去り際に彼は挨拶のようにいつもの言葉を残していった。
命蓮「だから○○。幻想郷を、そして姉上のことをよろしく頼むよ……」
光は急速的に拡散し、再び闇が蔓延る。そうしていると何者かに摘み上げられるような感覚を覚え、俺は意識を失った。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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