どれくらい気絶していたのか分からないが、俺は再び意識を取り戻した。まだ夢の中のようなフワフワした感覚がする。いや違う。平衡感覚が曖昧になっているんだ。相変わらず何も見えないし俺も目覚めてまだ間もない。少しでも情報を集めなくてはならないな。
前に「
漆黒の瞳孔
」に飲み込まれたときはまだ小さな光が俺を導いてくれたし、目が暗闇に慣れた頃には「
コンバイラリリル
」の体の中に格納されていたらしいことも推測できたが、今回は本当に見当がつかない。
ショットを放っても何かに着弾したような感じはしないし、オプションの光で周囲を照らしても何も見えない。見えるのは深淵の中で血眼になる俺自身の目だけだ。ヒントらしいヒントもない。
貴方「地球が生まれるずっと前に出てきてしまったか、それとも地球が滅びて久しい遠い遠い未来か……?」
アールバイパーの時計を見ても壊れているのか、数字がひっきりなしに滅茶苦茶に切り替わっている。あまり長時間見ていると目がチカチカしてしまうので俺は目を逸らした。
貴方「となると……青娥が言っていた時空の狭間?」
確かに終わりの見えないこの暗闇をさまよい続けていたら、いずれ発狂してしまうだろう。魔力レーダーも役に立たない中、とりあえずまっすぐ飛んでいくことにした。果たしてそれがまっすぐなのかどうかはあやふやではあるのだが。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら