チカ……ヨルナ……


それは片言であったが、明らかに言語であった。先ほどの罪袋は完全に知性を失っていたようだが、今俺の目の前で両手を突き出している血色の悪い生命体は明らかに言葉を発していたのだ。

何かしらの大きな力の渦でも巻き起こされているのか、その周囲には無数のガラクタがスペースデブリのように集中的に浮遊していたのだ。不気味に光る赤い眼光はその人影本体のみからではなく、暗闇だった空間のあちらこちらからも目玉が現れて、その視線を容赦なく俺に突き刺してくる。

多数の目玉に睨まれてしまい、俺は恐怖で体がすくみ上ってしまった。

チカヨルナー!


先ほどよりもはっきりと周囲を揺るがすほどの大声。知性を残したゾンビは咆哮を上げた後、大きく跳躍するとアールバイパーにとびかかってくる。両手にはやはり鋭い爪が生えており、生身で食らったらまず命は助からないだろうことは容易に推測できる。

動きは単調であったので回避するのは簡単だ。どうにか機体を降下させてとびかかりを避けると、振り返りざまにショットを放つ。これらは見事に命中したものの、多少ひるませる程度しか効果がないらしいことが分かった。

貴方「マジかよ……。ゾンビのくせになんてタフなんだ」

空間に浮かび上がる多数の目玉に睨まれながらも俺はこの紫色の空間を逃げ惑う。一体ここはどこなんだ? というかどの時代なんだ!?



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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