しかし逃げるといったってどこに逃げればいいんだ? こんな出口もわからぬ、そしてどこまでも浮遊する目玉が追いかけてくる空間のどこに安全な場所などあるのだろうか?

レイム……ニゲテ……。コッチニキチャダメ……


レイム……霊夢のことか? このゾンビ、霊夢のことを知っているのか? 今もひしゃげた道路標識を振り回しながらこちらに迫ってくるタフなゾンビはむしろ俺を襲うのではなく追い払おうとしているような感じがする。

何度も跳躍しながらこちらを追い詰めてくる敵は再び雄たけびを上げる。するとどこからか電車の残骸らしきものを呼び出し、こちらに突っ込ませてきたのだ。まずいぞ、かわしきれない!

貴方「ネメシス、コンパク。やれるか? ここは『αビーム』で押し返すぞ!」

あちこちで漏電を引き起こしている銀翼を酷使することになってしまうが、今は仕方がない。オプションから魔力を収束させると青白いビームを電車の瓦礫にぶつける。……ふう、どうにか直撃は免れたようだ。免れたのだが……。

貴方「くそうっ、完全に動かなくなった!」

アラートの鳴り響いていたコクピットであったが、次第にそれも弱まりついには何も鳴らなくなってしまう。状況が改善したとは到底思えない。ということは、とうとうアールバイパーが機能停止してしまったことに他ならない。

目を見開いたゾンビがキャノピーをこじ開けようと必死に頭突きを繰り返したり引っ掻いてきたりする。再起動することを祈りながら俺はトリガーを引くが、機能を取り戻す気配はまるでない。とうとうキャノピーがこじ開けられ、俺はゾンビに掴まれてしまった。

ニク……。ヒサカタブリノ、ニンゲンノ、ニク……!


絶体絶命のピンチだ。アールバイパーもなしにこのやたら強いゾンビに太刀打ちする術はない。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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