紫「れい……む?」

いまだに血色の悪い肌に鋭い爪と元の姿とは程遠いが、どうやら理性を取り戻したようである。

紫「まさか○○に助けられてしまうとはね。礼を言わせて頂戴」

よもやこんな大妖怪に感謝される日が来てしまうとは。まあ半分以上は永琳の功績なのだが。

とにかくこの一連の出来事で、俺が紫のスキマの中に移動してしまったことは分かった。だけど、どうして紫はゾンビになっているのか?

紫「奴の、青娥の罠にハマってこのありさまよ。私はキョンシー化してしまい、傍にいた霊夢に襲い掛かりそうになった。だから最後の力を振り絞って私はスキマの中に逃げたのよ。だけど、この中で完全にキョンシーに成り果ててしまい、能力を行使することが出来なくなってしまったの」

「どこ」については大体の答えが出た(スキマの中という非常に曖昧なものであったが)が、「いつ」に関しては紫も曖昧らしい。キョンシーとしてこのスキマの中でどれだけ漂っていたかの記憶がないというのだ。

俺も知る限りの情報を紫に提供した。月面の純狐のこと、シーマと首領蜂隊の幻想郷を巻き込んだ軍事演習のこと、青娥が従えていた黄金の八面体「産土神黄輝ノ塊」のこと、そして奴に果敢に挑んで散っていった霊夢のこと……。

紫「そう、霊夢がね……。あの子の性格を考えるとこうなってしまうのは何となくわかっていたけれど。だけど今ので色々と分かったわ。やはり全ての元凶は青娥、そしてあの黄金の八面体ね」

なんだ? 紫は「石のような物体」のことを知っているのか?

紫「それに今ので大体の時間もわかった。貴方、過去に飛ばされたのよ。具体的には私を罠にはめて倒したすぐ後あたり。あの性悪女、私に固執しすぎたあまり、この時空に飛ばしちゃったのよ。……無意識にね」

確かに時空跳躍を暴発させる直前、青娥は紫の名前を叫んでいた。だがこれはやり直しがきくことを意味する。ロンゲーナー大佐の言葉を借りるのなら「過去からやりなおす……。その手があったか」というやつだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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