昼の人里、そのはずれ……。

偽銀翼異変も過去の話となり、俺もようやく元の信用を取り戻した。幻想郷の結界を破壊しようとした超能力者が暗躍したという割と大きな異変があったが、それも解決して久しい。

少し前のバイドやバクテリアンのようなSTG世界からの侵略者の話も聞かず(たまーに残党が小競り合いをしているようだが)、ここ最近の幻想郷は平和そのものであった。ただ、平和である事は退屈な毎日が続くという事をも意味する。特に普段から弾幕ごっこで切磋琢磨する少女達にとってはなおさら。

そんな折に、幻想郷ではオカルトや都市伝説のブームが再来していた。前の超能力者による異変でも大活躍した「二ッ岩マミゾウ」という化け狸もこれを利用して一儲け企んでいるようだ。

マミゾウは配下の狸達に「オカルトボール」という紫色のパワーストーンに化けさせて、当時の様子を再現した弾幕ごっこの場を用意していたのだ。あとは観客にどちらが勝利するかを賭けさせる。いわばマミゾウはこの弾幕闘技場の元締めといったところだ。

何やらダーティな商売ではあるが、物珍しい娯楽を見てみたいという変わり者は意外といるようで、それなりに人が集まっていた。さらにその観客の為にジュースや軽食を提供する河童や、格好の新聞のネタとして取材に勤しむ鴉天狗も集まり、なかなかの経済効果があることが見受けられた。

マミゾウ「あの頭の凝り固まったワーハクタクめ、こんな所に押しやりおって……」

始めは人里の中心でこの興行を執り行っていたが、流石に慧音先生に怒られたらしく、今は人里のはずれに場所を移している。遠くには命蓮寺も見える。

マミゾウ「まあよい。頭突きは痛かったが、十分に宣伝は出来たし辺鄙な場所にしては上々の集まり具合じゃの」

秩序を守ろうとこの化け狸の商売を排除しようとしても、世論がこれを、世にも奇妙な弾幕決闘を求めている。その結果がここに集まった観客達であるのだ。

その観客達が、大いにどよめいた。彼らの視線の先には、白銀の翼を持った戦闘機に抜き身の刀を突き出しつつ突っ込む少女の姿が……。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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