どうにか観客達に返金を済ませ落ち着かせた頃にはもう夜のとばりがすぐそこにまで迫っていた。
マミゾウ「客も今ので帰ってしもうたし、今日はおしまいじゃな。まったく、あのリュウグウノツカイめ、余計なことをしよって……ブツブツ」
俺と白蓮さんとそして今も悪態をつくマミゾウの3人で帰路につく。俺もマミゾウと同じく衣玖のあの行動について考えていた。いや、金儲けとかそういうのではなくてもっと別の方向で。
どうして彼女はわざわざ簡易闘技場にまで赴いてあんなことを口にしたのだろうか? 無数の水棲生物が空から押し寄せてきて幻想郷が滅亡する……。そういえば衣玖もリュウグウノツカイの妖怪であるらしいし、まさか仲間を引き連れて何か異変を起こすつもりじゃ……。
貴方「白蓮、今のは一種の宣戦布告だったんじゃないかな? 空には他にも色々な水棲生物の妖怪がいて……」
白蓮「いいえ、それはないでしょう。彼女は場の調和を重んじる性格ですし、そもそも彼女に他の水棲生物の仲間はいない筈です」
今日の闘技場の空気を思いっきり壊していた気もするが、あれも悪気があってのものではないものに白蓮は見えたそうだ。
白蓮「何か異変の前兆を感じたのかもしれません。わざわざ貴方にそれを伝えたという事は……」
銀翼の出番ってことか。ということはまたどこかのSTG世界の住民が何か悪さを?
だが、その痕跡すらも俺は見つけていない。どうやらあの衣玖って少女を捕まえて詳しく事情を聴くしさかなさそうだな。
星の瞬き始める夕暮れを俺はまっすぐに見つめる。この澄んだ空を蹂躙するべく存在など果たしているのだろうか、そしているのなら何としても撃退しなくてはならないという決意を込めて。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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