その相手は見かけたことのない少女であった。真っ黒い帽子とぱっつんぱっつんの服装、何よりも周囲がパチパチと帯電しているような……。
マミゾウ「ほほう、これは面白い奴が釣れたのぉ。天界のリュウグウノツカイ『永江衣玖』ではないか」
衣玖と呼ばれた少女は周囲をスパークさせながらゆらりゆらりと羽衣を揺らして、俺の目の前に降りてくる。
衣玖「……」
周囲は新たな挑戦者の登場に大いに沸きあがる。マミゾウもさっそくどちらが勝つかと予想をさせていた。
そして衣玖がビシとこちらを指さした。
衣玖「幻想郷は空から降り立つ無数の水棲生物に押しつぶされて……滅亡するわ!」
……なんだって? また随分変なオカルトを持っているものだ。リュウグウノツカイだとか言っているくらいだし、恐らく魚と密接な関係のある妖怪なのだろう。とにかくそんなことを言う以上、常に頭上に気をつけなくてはならないな。
貴方「いいだろう。俺のオカルトはかつて外の世界の子供たちを熱狂させたゲーム名人の……おいっ、どこに行くんだ!?」
信じられない行動に出たのだ。衣玖さんはそれだけ俺とマミゾウ、集まってきた観客に向けて幻想郷が滅亡するというデタラメな都市伝説を吹聴したかと思えば、クルリと踵を返して立ち去ろうとしているのだから。
シーンと周囲の空気が白けてしまう。数泊置いて賭けていた一人が「金を返せ」と言い出すと、一斉にマミゾウに詰め寄る観客達。
マミゾウ「わかったわかった。今の分はちゃんと返すから慌てずに並んで……おーい、○○もワシを助けてくれぇ!」
衣玖さんを追いかけようとしたが、マミゾウに群がる観客達の対応に追われてそれどころではなくなってしまった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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