迷いの竹林に散らばった人間達を全員安全な場所に送り終えた頃には既に夕方になってしまっていた。

貴方「あー……一緒に遊びに行くはずだったのに面倒なことに巻き込んじゃってゴメンな」

今の今までお空を連れまわしてしまい、自己嫌悪に陥る俺。

お空「いいのいいの。なんか楽しかったし、黄金の三角形を一緒に見られたし」

それに対してあっけらかんと答えるお空。夕暮れの中、カラスが鳴きながら飛び去って行くのが見えた。

お空「あっ、カラスが鳴いたからもう帰るね。また遊ぼっ、○○!」
貴方「今度はちゃんとした場所に連れて行ってやるからな」

って、お前もカラスじゃん……。そう思いつつも、俺はお空と互いに軽く拳をぶつけ合い、地獄鴉の少女と別れた。

さて、俺も命蓮寺に戻って今日あったことを白蓮さんに報告しておくか。竹林に現れた謎のピラミッド、周囲に人間がいてもお構いなしに殺し合いを続けた妹紅と輝夜、そして輝夜が口走った強烈な光……。

それだけではない。衣玖が口にしていた水棲生物が幻想郷を滅亡させるとかいうのも気になるし、オカルトボールの残骸らしき物体が発していたどこかの星のSOSも何か関係があるんだろうか?

何か今までにない大きな何かが、音もなく見えないところで蠢いているのではないだろうか。そんな言いようのない不安感が俺を押し潰そうとしていた。

幻想郷は決して平和ではない。「何か」が音もなく忍び寄っている。日常をぶち壊すような何か大きな災厄がすぐ目の前に迫っている。そのようにしか考えられないのだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら