迷いの竹林が夕闇に包まれる頃、黄金のピラミッドに腰掛ける影が見えた。突然ボウッと松明の光が灯る。
???「うーん、途中までは良かったんだけどなぁ。今回はちょっぴり失敗だったかも。まさかあんな邪魔が入り込むなんてね。あたい一人じゃさすがに幻想郷は広すぎるわ。それならば……」
松明の炎が大きくなる。まるで明かりに群がる羽虫のように妖精たちがわらわらと黄金のピラミッドの前に寄ってきた。
???「あたいの作戦を邪魔するような不届き者め、アイツの計画はこうやって狂わせるに限るわね」
強烈な光が松明を持つ少女の影を映し出す。ツノがあちこちにねじれ飛び出た奇妙な頭部の影が見える。大きな松明の炎を受け取った妖精たちは狂ったようにキャイキャイと喚き散らしながら、竹林から拡散するようにあちこちに飛び出していく。小さな狂気の炎を携えながら。
???「さーあ、妖精達よ、もっとスピード、あげていこうよ!」
それを全て見届けると松明の主もピラミッドからふわりと浮かび上がる。
???「イッツ、ルナティックターイム! 狂気の世界へようこそ! きゃは、きゃはははは!!」
自らも何処かへと消えて行ってしまった。再び迷いの竹林は静寂と暗闇に包まれた。しかしこれは嵐の前の静けさというものである……。
銀翼と妖怪寺∀CE IIIに続く……
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら