ボサボサな黒髪、大きな緑色のリボン。そして胸に光る真紅のヤタガラス。地獄鴉のお空のものであった。
お空「○○、○○! やっぱり○○だー! んにゅ~///」
本人はこちらに顔をスリスリさせて甘えているつもりなのだろうが、なにぶん相手は核融合を操るパワフルな妖怪。何かのはずみで俺が怪我をしてしまうかもしれない。
貴方「ぐ、ぐるじい……」
ジタバタともがくがなかなか振り払うことは出来ない。そんな彼女の暴走を止める別の声の存在があった。
白蓮「まあ、どうしたのですか? それよりも○○さんが困っていますよ?」
その一言に我に返った地獄鴉は俺から離れると、にこやかな笑顔であいさつを交わす。
お空「こんにちは、住職サマ! 今日はね、えっとえっと……なんだっけ?」
必死に思い出そうとウンウン唸る地獄鴉に助け舟を出す白蓮。
白蓮「○○さんに用事があったのではないですか?」
お空「そう、そうだったわ! ねぇ○○、今空いてる? 地底に面白いものが出来たから一緒に見に行こうって言おうとしたの!」
折角の申し出だ。無下には出来ないし、その面白いものとやらにも興味がある。
白蓮「○○さん、せっかくのお友達のお誘いですし、行ってきなさいな。お土産よろしくね♪」
貴方「ええ、何か用意しときますよ。それでお空、その面白いものって何なんだ?」
そう俺がお空に問いかけると、人差し指を下唇にあてながらうーんと唸りつつ空を見上げる。もしかしてまた忘れてしまったのだろうか?
お空「大丈夫だよ、今度はちゃんと覚えてるよっ! だって今流行のオカルトな感じだもの。あのね、地底に世にも奇妙な黄金の逆さピラミッドが出てきたの。ねっ、不思議でしょう?」
貴方「凄いな、地底でも都市伝説ブームが続いてるんだ……」
前の異変でもこいしが電話を使ったオカルトを持ち出して戦っていたことを思い出す。お空も何かオカルトめいたものに興味を抱いたのだろう。肯定的な感情を抱いたのを知るや否やお空は俺の腕を引っ張り命蓮寺を出ようとする。
お空「ねっ○○、行こ行こ♪」
貴方「待って待って、生身で旧地獄はキツい。ここはアールバイパーに乗ってから……」
その直後であった。ガタガタと地面が揺れ始めたのだ。最初は少し揺れたかな程度のものであったが、次第に勢いを増していき、遂には立っていられないほどの大きな地震となっていた。俺はお空と一緒にしゃがみ込むと近くの柱にしがみつき、揺れが収まるのを待ち続ける。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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