一応は警戒するべくアールバイパーに座標を登録した上で命蓮寺に帰ろうとした矢先、異変は起きた。

突如目の前に妹紅が飛び出してきたのだ。飛び出したかと思うと突然爆発を起こし、そして気が付くと俺の真上で浮遊をしていた。リザレクションでもしたのか? だがどうして?

その答えは妹紅の視線の先にあった。長い黒髪を持った小柄な少女が宝石のついた木の枝を手にしている。あれは輝夜か。どうやらお互いバッタリ出会ってしまい、それで喧嘩になっているのだろう。

輝夜「殺す、殺す、殺すっ!」
妹紅「死ね、死ね、死ねっ!」

二人とも物騒なことを口にしているが、お互いに蓬莱人。さっきの妹紅を見て分かる通り、死なない……というか死ねない。だからこの殺し合いはいつまでも決着がつかず、どちらかが疲れ果てるまで終わらない。こういうのは巻き込まれる前に足早に立ち去って関わり合いにならないのが定石である。だが、今回ばかりはそうはいかない。

貴方「おい妹紅っ、竹林に残った里の人間を送り返すんじゃなかったのかよ!」

そう、今も竹林のピラミッドを一目見ようと人里の人間が押し寄せているのだ。妹紅は彼らを人里に案内をしていた筈なのだ。だが、その途中で輝夜と出くわしてしまい、現在に至ると言ったところだろう。俺の叫びなど耳に入ってこないらしく、今も周囲の状況にも気が付いていない二人は、狂ったように終わることのない殺し合いを続けていた。

貴方「このままじゃ里の人間も巻き添えを喰らってしまう。俺の手で里に案内しよう!」

さすがに目の前でああやって殺気立った状態でドンパチされたら里の人間達も逃げ惑う。パニックに陥った人間の前に銀翼が降り立ち、散り散りにならないように誘導を始める。

貴方「落ち着いて、落ち着いて! 竹林の出口はこっちです!」

アールバイパーに登録された人里への座標軸を頼りに頭を抱え中腰になって進む人間達を案内する。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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