貴方「しまったぞ、俺は見たものを狂気に走らせる松明の光を追いかけていたんだ! 衣玖、そのことについては何か知らないのか?」
衣玖「いえ、私は何も。ただ、それらしい光が横切ったときにダークヘリオスが私を庇うように……何か知っているのですか!?」
血相を変えてダークヘリオスに問いかける衣玖。ダークヘリオスはどこか悲しげで、でも言いようのない怒りを秘めたような唸り声をグルルと鳴らした。
衣玖「なんですって……! その話、もっと詳しく!」
貴方「いや、楽しい異文化交流は後にした方がよさそうだぞ。今は差し迫った危機を凌ぐことを考えよう!」
すっかり日の落ちた霧の湖、紅魔館から虹色の翼が飛び出していた……!
衣玖「あの虹色はっ!?」
貴方「なんということだ、俺の想定しうる最悪の事態が現実のものになってしまったようだ」
無差別に弾幕を広げる虹色の翼。俺はアイツを知っている。レミリアには5歳違いの妹がいるそうだ。だが彼女の姿を見たと言う者は少ない。気の触れた恐ろしい奴なんだとか。俺も名前を知っている程度だ。奴の名は……。
貴方「奴は『フランドール・スカーレット』だ。恐らくはあの松明の妖精軍団が彼女の部屋にまで押し寄せてきたんだろう。厄介なことになったぞ……」
我を失って暴走しているようだ。
衣玖「大変です! これでは水棲生物が降り立つ前に幻想郷がメチャクチャに……」
貴方「いや、奴に気付かれないように紅魔館へ向かおう。策もなしに今のフランに挑むのは無謀だ。生存者の救助を優先しよう。それに何があったのかを突き止めることもできるかもしれない」
紅魔館には優秀な門番に大魔法使い、時を止めるという凄まじい能力を持ったメイドに見た目は幼いけれど強力な吸血鬼が住んでいた筈。彼女達を退けて紅魔館から飛び出してしまったフラン。どうしてこのような事態に陥ってしまったのか、そして彼女の安否を確認することこそが最善と判断したのだ。
衣玖「そんなこと言っても向こう側は戦う気満々のようですよ!」
この場から立ち去ろうとする俺達に回り込むように動くフラン。ちくしょう、俺達だけで迎え撃たなければならないのか。どうにか怯ませて紅魔館へ向かいたいところだが……ええい、考えている暇はない。来るぞっ!
銀翼と妖怪寺∀CE IVに続く……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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