紅魔館内部は酷い有様である。あちこちでフランが暴れた跡らしきものが見られるのだ。辛うじて屋敷としての形は残しているが、はがれた壁紙に割れたシャンデリア、薄汚れた絨毯に凹んだ壁。内装は滅茶苦茶である。
どうにかフランがこちらに追いつく前にみんなの安否を確認しようと探索を始める。長い廊下の曲がり角を曲がると、背の高い少女と鉢合わせした。こちらの姿を確認したかしないかのうちに悲鳴を上げるとペコペコと頭を何度も下げていた。
美鈴「ひいぃ! 咲夜さん、あの状態ではさすがに門番は無理です。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……って、なぁんだ○○さんでしたか」
情けない声を上げているのは門番の美鈴である。こんな状況でも仕事のことを考えているのは呑気というべきか真面目というべきか……持ち場は思いっきり離れているけど。
貴方「驚かせてすまなかったな。美鈴、一体何が起きたんだ? ボロボロの内装、とても正常とは思えない」
美鈴「私にも何が何だか……。ここ最近では珍しい程に凶暴化したフラン様が門から飛び出そうとしていたので止めようとしたんですが戦っているうちに生命の危機を感じてその……館の中に逃げちゃったんです」
普通に考えれば人を狂わせる光を携えた妖精達の仕業と考えられる。俺はそういったのが接近しなかったかと聞いてみた。しかし美鈴は黙りこくってしまう。俯いてしばらくした後、至極小さな声でこう答えていた。
美鈴「それが、ちょうどウトウトしていたところで……/// 私が異変に気付いたのは館の内部で騒ぎが起きた時でした」
呆れた、この赤毛の門番はこんな重要な時に限って居眠りしていたのだという。それじゃあ妖精達も紅魔館に侵入し放題ってことである。こりゃ咲夜さんも苦労するわけだ。とにかく手掛かりは自力で探さないとならないらしい。
衣玖「いえ、今回に限って言えば幸運だったのかもしれませんよ? 眠っていれば『人を狂わせる光』を目にすることもありません」
ああ、そういう一面もあるか。どの道起きていたところで松明の光で美鈴が狂わされてしまえば結局は突破されてしまう。だが眠っていた美鈴はいたって正常。探索するのに人数は多い方がいいのは明白。気を取り直して俺達は図書館へ向かうことにした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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