整理整頓が行き届いている図書館であったが、ある一部分だけ酷く崩壊していた。まるで一本道のように細長く伸びている。フランが通った後に違いない。そのこじ開けられた道をたどればフランの部屋に、そこで何が起きたのかという手掛かりを見つけられるに違いない。

美鈴「やはり……。これはフラン様のつけた傷です。ほら、地下へと延びている」

「道」は俺達を地下へと導き、そして頑丈な鉄でできた分厚い扉にまで達した。分厚いながらも中央に大きな穴が開いている。ここがフランの部屋で間違いないだろう。

衣玖「まだ例の妖精が隠れている可能性があります。警戒して侵入しましょう!」

ジリジリと穴に近寄る。案の定キャイキャイと甲高い声が聞こえてくるではないか。俺はトリガーに指をかけながら、一気に部屋に突入する。数匹の松明を持った妖精が潜んでおり、こちらに気が付き向かってきたが、常に攻撃が出来るように待ち構えていた俺は奴らが接近する前にショットを放っていた。

穴だらけになる松明妖精。手にしていた松明の炎が引火し、その全身が焼け落ちていく。1匹だけ飛びかかってくるものに対してはレイディアントソードで両断してやった。

前にバイド化したリリーホワイトと戦闘した時は知らなかったが、どうやら妖精の本体は自然そのものであり、肉体が滅んでも元となった自然さえ残っていれば、一定期間を経て復活するものらしい。ゆえに今回はあまり罪悪感がなかった(そしてそう思えることが俺がより幻想郷に順応し、外の世界の常識から離れているということを痛感させた)。

刎ねられた妖精の首がこちらに飛んでくる。その瞳には光がなかったが、死に際に一瞬だけ光を取り戻したように見えた。それをはっきりと確認する前に頭は光の粒子となって消えてしまったが。だが今ので分かった。あの妖精達を倒したところで何も事態が進展しないということを。

貴方「誰かに操られていたんだ。あいつらの瞳には生気が感じられなかった」

妖精を全滅させ、改めてフランの部屋を調べる。あの無骨な扉とは相反するように、とてもファンシーな色遣いをされた女の子の部屋といったところか。正直手掛かりらしい手掛かりは見つからない。

衣玖「ハズレ……ですね。他の部屋も調べて……っ!」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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