こうなってしまった以上、美鈴に今の状況を見てもらうしかない。その豊満で柔らかなリュウグウノツカイの膨らみからどうにか声を発する。
貴方「美鈴、俺達からは何も見えない。フランは今どうしている?」
駄目だ、この後もどうにか顔をずらして魔力レーダーや外側を目視で確認できないかと試みたが、衣玖さんがくすぐったがるだけである。その度に艶っぽい声を漏らすので俺も罪悪感を感じる。
貴方「なんというか……申し訳ない」
衣玖「こんな緊急の事態ですし、仕方のない事です。○○さんは悪くありませんよ。それよりも鼻息がかかってこそばゆい……///」
そうしているうちにようやく美鈴からの返答が来た。
美鈴「ええっと……フラン様はぬいぐるみの方へ、つまり私達に近づいていますね」
まずいな、やはり怪しまれている。アールバイパーの形ではぬいぐるみに成りすますのは無理があったか。とにかく少しでも俺も視界を得る為に行動を起こさねばならない。
貴方「衣玖、その場で180度回転できないか? この体勢だと俺が何も見えない上にそろそろ呼吸と理性がマズイ!」
美鈴「フラン様はぬいぐるみを一つずつ手に取って激しく揺さぶっています。このままではアールバイパーも同じ目に……」
この状態でそんなことされたら大惨事だ。少しでも安定した座り方をさせて揺られたときの衝撃によるダメージを和らげなくては。俺は衣玖の腰に手をやり、ゆっくりと回転させる。彼女本人も身をよじりながら、前を向こうと必死にもがいている。
貴方「あだだだ、擦れる擦れる! もっと腰を浮かせてくれ……」
そう四苦八苦した末に……。
衣玖「どうにか回転できました。これで前がよく見えま……ひゃあっ!?」
衣玖の目の前、つまりアールバイパーの目前にちょうどフランがいて、銀翼に手を伸ばし始めたのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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