しかし次の瞬間、信じがたいことが起きた。何の前触れもなくリモートバーストを放っていたネメシス達が爆発してしまったのだ。魔力によるバリア機能があって致命的な損傷は免れているが、今ので魔力が尽きてしまったようだ。

貴方「まずいっ、戻れネメシス!」

困惑しながらも俺はネメシス達を回収する。何故だ、何故いきなり爆発したんだ? フランが再び雄たけびを上げ、拳を突き出すと何もない空間であちこちが爆ぜる。なんてこった、閉所での戦い方も心得ていやがる。何をしたのかわからないが、このままじっとしていたらヤバイ!

美鈴「逃げましょう! ここにいても的にされるだけです!」

ちくしょう、俺ではやはりフランは倒せないのか。これが吸血鬼の底力、これが吸血鬼の執念。再び機体をターンさせひとまず地上を目指すことにした。

目指しながらも何が起きたのかを考える。待てよ、前にも同じことがあったな。確かダークヘリオスのエラが急に爆発することがあった。フランはまだ能力を隠し持っている。とんでもない隠し玉だ。その正体を暴かない限り俺達に勝利はない。

答えも出ぬまま俺達は地上の広間に出てきた。恐らくフランドールにやられたのか、負傷して膝をついているレミリアとそれを庇おうとする咲夜さんの姿が……。俺と暴れるフランの姿を見て睨み付ける咲夜。もちろん俺の方を。ちくしょう、まだ色々なことが根に持たれている!

咲夜「フラン様をたぶらかし、お嬢様の館で暴れさせたのは……」
貴方「だったら俺が攻撃されていることはどう説明する? 犯人捜しは後だ。今は目の前の脅威を……」

それだけ言うのに咲夜は無言でナイフを投げつけてくる。その衝撃でアールバイパーは大きく弾かれた。くそっ、今はお前とやり合っている場合ではないのに。

衣玖「いえ、彼女は○○さんを助けようとしたようです」

なんだと? だが彼女の言っていることが理解できた。先程まで俺のいた空間が爆発を起こしていたのだ。

咲夜「嘘はついていないようね。○○、不本意ながら今は手を組みましょう?」
貴方「望むところだ。ところであの爆発は何なんだ? あいつは一体何をしているんだ?」

その答えは咲夜からではなく、負傷していたレミリアから告げられる。

レミリア「今のはフランの能力よ。本人曰く『きゅっとしてドカーン』」

な、なんじゃそりゃ? 再び拳を突き出すフラン。どうやら俺を狙っているようだ。これでは止まることが出来ない。どうにか動きながらその「きゅっとしてドカーン」とやらの詳細を聞かなくてはならないな。

フランはただ狂気に駆られているだけなんだ。それを促した犯人を見つける為にも、ここで負けるわけにはいかない!


銀翼と妖怪寺∀CE Vに続く……

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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