(その頃の地上、迷いの竹林……)
幽々子から「今回の異変は月に与する勢力が怪しい」という情報を得た白蓮と蓮子は永遠亭を目指すために、迷いの竹林へと入り込んでいった。
白蓮「迷子にならないようにしっかりと手を繋ぎましょう」
伏し目がちになる蓮子は無言でコクンと頷く。元気がないのも無理はない。ここは蓮子がメンダコ型の戦艦に襲われた場所でもあるのだ。そのことに気が付いた白蓮は蓮子の背中を優しくポンポンと叩く。
白蓮「大丈夫、今度悪い奴がやってきても私が追い払ってみせます。だから蓮子さん、あんまり私から離れないようにね?」
無言でコクリと頷く蓮子を気遣いながら竹林を進む。すると蓮子が短く悲鳴を上げた。
蓮子「今足元に何かチョロチョロとしたものが……ヒッ、まただ!」
白蓮「竹林なのですから色々な生き物だって住んでいます。ネズミでも通り過ぎただけでは……っ!」
ネズミは普通空を舞ったりはしない。蓮子の足元をかすめていった物体は次に大きく飛翔すると二人の目の前にその姿をさらす。それはアリジゴクのような大きなアゴを持ち、サソリのような細長い尻尾を持った一つ目の怪物であったのだ。蓮子の脚をくすぐったものの正体は奴の尻尾である。
白蓮「そこの妖怪、今すぐに立ち去りなさい。蓮子さんに手出しするようなら容赦はしませんっ!」
虹色に光る巻物を広げ、戦闘態勢を取る白蓮。こんな状態でも、そしてこのような相手でもまずは戦わないようにすることを心がけるのが彼女である。しかし相対する妖怪の方はそのような考えを持ち合わせていないらしい。その大きなアゴをガチガチと鳴らし、仲間を呼び始める。次々と虫の妖怪が集まっていく。
白蓮「そちらがその気ならば仕方がありません。いざ、南無三っ!」
妖怪と言えど、奴らの大きさは人間に比べてもかなり小さい。ちょうど上海人形よりもちょっと大きいくらいのサイズである。それらが群がってきても既に身体強化の呪文を詠唱していた白蓮の敵ではない。あっという間に弾幕が、その拳が未知の妖怪をなぎ倒していく。数匹退治したところで、散り散りになって逃げて行ってしまった。
白蓮「見たことのない妖怪でしたが、一体何だったのでしょう……? 蓮子さん、私の後ろに隠れていてください。どうやら今の妖怪達の親玉が近づいているようです」
戦う事の出来ない蓮子を庇うように両手を広げると、白蓮は近づきつつある敵に警戒を始める。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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