片翼の少女を救出しようとディメンションダイバーの真下を高速飛行する俺。その俺の頭上で鉄くずがバラバラと落ちてきた。こいつまさか……!
月の民A「ひいいっ……!」
エンディミオンを嚙み砕きやがった! 恐らくは搭乗していた玉兎ごと。その証拠に奴の口から赤黒い液体が飛び散ってきたのだから。その様子を間近で目にしてしまい、純白の羽を飛び散る鮮血で汚したサグメは声にならない悲鳴を上げていた。
貴方「酷い怪我をしているじゃないか。羽がもげている。これでは動くこともままならない筈だ。さあ、アンタの命を俺に預けてくれ」
サグメ「いや、あの……そうではない。羽が片方なのは怪我ではなく……」
貴方「無理をするんじゃない。それに随分と震えている。肉体的な損傷だけではなさそうだな」
それだけ言うと俺は半ば強引に震えているサグメの手を取り、アールバイパーの後部座席に座らせた。その際に朱理を追い出す形になり、彼女から猛抗議を受ける。
朱理「ちょっと、私がやられたら作戦は失敗するのよ? 分かっているのマスター?」
貴方「お前は生身でも空飛んだり戦ったりできるだろ。ちゃんと守ってやるから今は怪我人の保護が優先だ」
何処か恨めしそうな視線を残しながらも朱理は承諾してくれた。さて、奴はどこへ行った?
貴方「依姫、今度こそ助太刀してや……あれ、どこ行った?」
恐らくはディメンションダイバーと戦っているであろう依姫の姿が見えない。ついでに言うとディメンションダイバーも姿を消してしまっていた。
俺の目に映ったのは月の民が我を失い右往左往するという阿鼻叫喚の地獄絵図であったのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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