貴方「シーマなら追い払いましたよ。少し痛めつけたら逃げていきました! しばらくはここにも来ないでしょう」
ありったけの声を張り上げて依姫たちに報告をする。ひとまずの平穏を得たことを知り、暴徒と化した月の民が落ち着きを取り戻していく。
依姫「やるじゃないか○○、地球人としては上出来だ。そこらの玉兎よりも根性もあるしきっと強いのだろう」
衣服の乱れをパパッと直しながら月の剣士から賞賛の言葉を貰う。
貴方「俺達はこれから奴らを無力化するために月面に向かう。作戦が成功すれば月の都も奪還できるだろう。だからあともう少しだけ、ここの民を守ってあげて欲しい」
それだけ告げて集落を抜けようとした矢先、いつになく鋭い声を突き刺してくるのは依姫の姉であった。
豊姫「待って、さっきのサメさんはどっちへ逃げていったの?」
ん? 今になってどうしてそれが気になるのだろう?
依姫「お姉様、彼奴の戦い方ならもう覚えたわ。もみくちゃにされながらも観察してたから。今度ここを襲ってきても不意打ちは絶対喰らわない」
豊姫「そうじゃないの。本当に逃げただけなのか確信が持てないのよ。今からでもわかる?」
何か考えがあるらしいが、ええっとどっちだったかな……?
朱理「あの魚野郎なら北の方へ逃げていってたわ」
こういう時にロボットの記憶力は役に立つ。そして方角を知ったうえで豊姫は何か確証を得たようである。
豊姫「あのサメさんは決して逃げたわけではない。ここから北の方角といえば……分からないの依姫?」
少なくとも俺や衣玖にはさっぱりわからない。依姫も首をかしげているのみ。皆が何のことか考えていると、弱弱しい声で後ろから答えが聞こえてきた。
サグメ「ドレミーだ……。奴の狙いはドレミー・スイート。この槐安通路の管理者である彼女を直接叩いて、この夢の世界ごと我々を消そうって魂胆なのだろう」
なんだとっ! 豊姫の嬉しそうな反応を見る限りそれで正解なのだろう。だが、どうすればいい。いくらアールバイパーが素早いからといってディメンションダイバーみたいに瞬間移動の出来るような奴には追いつけるわけがない。せめてこちらもワープとかできればいいのだが、あいにくアールバイパーにそんな機能はない……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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