未だに釈然としない表情を見せるが、ひとまずは現状を受け入れてくれたようであり、咲夜は大人しくなった。

依然フランは空間を爆破させながら広間狭しと飛び回り、皆が防戦一方といったところである。雄たけびを上げながら拳を突き出し、正気に戻すにはやはり気絶くらいはさせないとならないことがよく分かる。

貴方「咲夜、あいつの能力のことをもっと詳しく教えてくれ」

爆風を避けながら俺は情報の提示を求める。何か弱点がある筈だ。

咲夜「フラン様の能力、正しくは『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』といって、対象となる物体が持っている弱点、通称『目』をフラン様の手の中に移動させるのよ。あとはその『目』をキュッと握り潰すと……ドカーンってね」

弱点を強制的にフランの手の中に移動させるってことか? 俺はバクテリアン軍残党であるゴーレムの目だけがフランドールの手の中に移動する様子を想像していた。ううむ、バクテリアンにとっては脅威以外の何物でもないな。きっとコアなんかも移動させてしまうのだろう。

貴方「つまり奴の前では常に弱点を晒した状態になるってことで間違いないな?」

なんということだ、これが本当ならばどんなに頑丈な鎧を身にまとっていてもまったく意味をなさないことになる。つまり防戦一方になっているのはよろしくない状況だ。

何か、何かある筈だ。あの能力を突破する方法が……。そうやって手をこまねいていると漆黒の翼を羽ばたかせるレミリアが目の前に躍り出てきた。

貴方「傷はもう大丈夫なのか?」
レミリア「吸血鬼の再生能力を甘く見ないことね。頭さえ残っていれば時間をかければ再生するのよ」

新たに標的が増えたことによりフランはより一層激しく空中を爆破させていく。何度も拳を突き出しながら。ん、拳……? そういえば空間を爆破させるとき、フランはいつも握り拳を作っていた。そして咲夜から教わったありとあらゆるものを破壊する方法……。もしやっ!



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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