膠着状態と思っていたが、フランが新たな動きを見せた。その胴体からデタラメに弾幕をばら撒き始めたのだ。今度は紫色の鱗のような形の弾を。それが全方位にばら撒かれるのでまるでフグ刺しのように見えた。

レミリア「ぐうっ!」

紫色の鱗がレミリアの肌を斬りつけはじめ、血が飛び散る。どうにか直撃を避けてはいるようだが、あのままでは持たないぞ!

弾幕を何とかしなくてはっ。真っ先に思い付いたのはレイディアントソード。これで弾幕を斬りつけながらフランの腕も斬り落とせば……、いや駄目だ。傍にレミリアもおり彼女にも被害が出てしまう。それに腕は切らないでほしいという彼女の思いを踏みにじることになってしまう。

貴方「リモートバーストでピンポイントに防壁を展開する」

だが、10歳前後……いやそれ以上に幼い容姿の少女二人が組み合う間にバーストビームを撃ち込むなんてのは針に糸を通すような精密さを要する。俺は慎重に照準を二人の間に合わせ、ネメシス達を機体前方に配置し、リモートバーストの構えを取る。

もう少し右……いや左っ……行き過ぎたっ。そうしているうちに上にブレる。

駄目だ、二人とも微妙に動き回っておりとても狙えるようなものではない。しかし早く助けなくては……。

そう焦る矢先、俺は突然脳みそを手づかみで引きずり出される感覚を覚えた。こ、これはもしや……。間違いない、俺とアールバイパーとそして咲夜が一つに重なるイメージ。能力の間借りが成立した。

貴方「咲夜、遂に俺に心を開いて……」
咲夜「私はお嬢様を助けたいだけよ。今は同じことを考えているから力を貸したいと思った、それだけ」

それでも構わない、結果は一緒だ。完全な時間停止とまではいかないが、周囲の時の流れが非常にゆっくりになっているようだ。恩に着るぞ、咲夜。俺は改めて二人の間に狙いを定め、バーストビームを発射した。その直後、時間の流れも元に戻ったようだ。仕方のない事だが長時間の維持は無理なのだろう。咲夜も疲労困憊といったところだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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