ジリジリと間合いを少しずつ詰めながら、奴がどうすれば動揺するかを見極める。ブチ切れたいところだが、我慢だ……。しかし、その思惑は脆くも崩れ去ることになる。
突然地響きが起きると、地下通路からダークヘリオスが飛び出してくる。その勢いのままにクラウンピースに頭突きを喰らわせたのだ。
クラウンピース「うんぎゃ!?」
フランの部屋で十分に休息を取っていたダークヘリオスは全ての兵装が復帰しているようであり、素早くクラウンピースをその長い体で取り囲むとギリギリと絞めつけ始めた。
衣玖「ダークヘリオス、凄く怒ってるようです。あんなことされたら……無理もありませんね」
貴方「何か知っているのか衣玖? 教えてくれ!」
彼女は「来る時が来たか」といった神妙な面持ちでこちらを伺う。
衣玖「分かりました。私が聞いた限りの真実をお教えします。ただ、約束してください。どんな結果になろうと私もダークヘリオスも、幻想郷の敵にはならないということを信じてください」
貴方「何か訳アリのようだな。……分かった、衣玖もダークヘリオスも仲間だ。何があったとしても」
それを聞いて安堵したのか、ポツリポツリと話し始める。
衣玖「ダークヘリオスには多くの仲間がいました。海洋生物のような姿をしており、皆この宇宙の平和を愛し、不和を憎むような仲間です。ところが、あのクラウンピースが松明で仲間を狂わせ、恐ろしいことに自らの指揮下に置いて……月の都と戦争を始めたのです。ダークヘリオスだけは命からがら幻想郷まで逃げ込んだようですけどね」
今もギリギリとクラウンピースを絞めつけるダークヘリオス。
衣玖「月の都は狂わされた海洋生物たちによって陥落寸前。そしてあの妖精の主が次にターゲットとしたのが……」
俺はダークヘリオスの動向に注意を向けながら話を聞いていた。締め上げられていたクラウンピースがその松明を手にダークヘリオスの目の前で思い切り光らせようとしていたのだ。
貴方「まずいっ、フォトントーピード!」
ここでダークヘリオスまで奴らの傀儡にするわけにはいかない。俺は松明目がけてミサイルを放った。
クラウンピース「あっ……!」
ミサイルは命中、爆風にあおられて取り落した松明の炎はそのままダークヘリオスではなく、クラウンピースの頭に落ちる。
クラウンピース「ぎゃああっ! 熱いっ!!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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