瞬く間に全身に引火し、火だるまになってしまったクラウンピース。苦悶の表情を浮かべながらもその瞳は恐ろしい程にぎらついていた。
クラウンピース「かかったわね。ここであたいが殺されるのも計算のうち。火あぶりは予想外だったけど……」
火だるまになりながら口元からフフフと笑みをこぼしながらこちらにゆっくりと近づいてくる。俺はその姿に戦慄を覚えた。
クラウンピース「あんたたちが吸血鬼と遊んでいる間に、光によるのろしを幻想郷各地に用意していたのよ。あたいに何かあった時をトリガーに光ののろしは一気に発動する。今更あたいを殺したってもう遅い! いずれ、月の都を滅ぼした『死を司る者』達がこの幻想郷に押し寄せる。たった1匹の裏切り者なんて気にならない程の大多数でねっ!」
みるみる焼け落ちていく妖精の身体。しかし空を掴まんという勢いで両腕を空に突き出しながら、声高らかに笑い声を上げる。ピエロがどんな時でも笑顔を絶やさないように。
クラウンピース「イッツ、ルナティックターイム! いずれ幻想郷は狂気の炎に包まれる。地獄で待っているわ。きゃは……、
きゃ
は
は
は
は
は
は
は
は
は
は
は
は
はっ!
」
一際大きな笑い声、ひときわ大きな火柱を上げて、クラウンピースは跡形もなく燃え尽きた。
貴方「『死を司る者』、奴は確かにそう言っていたな? だとしたら厄介なことになるぞ。月の都を滅ぼし、次に幻想郷を滅ぼさんとする勢力に心当たりがあるんだ」
衣玖さんの予言、彼女と行動を共にする裏切り者のダークヘリオス、そしてオカルトボールに込められたどこかの星からの救難メッセージ。これらの異変の兆候が一つに繋がった。なんということだ、今までにない程の危機が迫っていることになる。
貴方「『死を司る者』、惑星アムネリアの言語で『THIIMA(シーマ)』……。『シーマ』がじきに幻想郷にやってくる……!」
俺は夜空を見上げる。星空が奇妙な程キラキラと輝いていた。いや、星空なんかじゃない。光はみるみる大きくなっていく。よく見ると海洋生物のような形を取っているものまでいるではないか。あれこそがシーマだ。とうとうシーマの大軍が幻想郷に降り立つのだ!
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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