メリー……か。名前からして女性なのだろうが、あいにくそんな名前の知り合いは俺にはいない。もちろん彼女の安否も知る由もない。それは紛れもない事実。
だけど、今の彼女に必要なものは事実ではなくて希望だ。ゆえに白蓮さんが答える前に俺が無意識に口を挟んでいた。
貴方「大丈夫、お前が無事だったんだ。そのメリーって子も、きっとどこかで生き永らえている筈だ。人間ってのは案外しぶといものだからな」
自らの過去と重ねて俺はこう告げる。俺は突然幻想入りして紫に敵視されるという絶望的な状況からあがいてあがいて、そして生き抜くことが出来た。白蓮さんのような協力者やアールバイパーという相棒がいたからではあるが、この子はたった一人な上に見たところ戦闘機の類も持っていない(普通は持ってないよね……)。
白蓮「○○さんの言う通りです。決して最後まで諦めてはいけません。私達もついていますから。そうだっ、記憶が戻るまで何か貴女に名前を付けておかないとですね……。いつまでも『この子』とか『貴女』って呼ぶわけにもいきませんし」
「うーん」と唸りながら、白蓮さんは考えていく。
白蓮「では私の白蓮って名前から一文字を取って『蓮子(れんこ)』と名乗りなさいな。記憶が戻るまで貴女は蓮子です」
なるほど、そりゃいいや。ついでにいつも「メリー、メリー」って「連呼」しているってシャレもきいているわけだ。命蓮寺で保護したわけだし、彼女も白蓮さんと同じで白色と黒色の目立つ服装だ。蓮の名前を借りるのは良い考えだと俺も感じた。
蓮子「ありがとう、白蓮さん! 少しでも早く記憶を取り戻せるよう頑張ります!」
さて、ようやく俺達が何をするべきなのかがハッキリとしてきた。一つは月の都すら陥落させてしまったシーマ達を撃破すること、そしてもう一つは蓮子のなくしてしまった記憶を取り戻すこと。
とはいえシーマは強敵なうえに数も多い。首領蜂隊の協力は不可欠だろう。そう思索を巡らせた矢先、藤色の三角形をした空中空母がこちらに近づいてきた。周囲に数機の戦闘機で護衛させており、物々しい。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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