「メリーっ!!」
ようやく口を突いて出た我が相棒の名前。それと同時に私はようやく体を起き上がらせることが出来た。だが、周囲はいままでの鳥居の立ち並ぶ不気味な参道ではなく、和風な部屋であった。今のは夢……?
私は布団で寝かせられていたのだろう。悪夢を見ていたせいか酷く汗をかいており、そしてその後で、自分が下着以外は何も身に纏っていないことに気が付く。
何が何だかわからないが、裸でいるのはマズイ。私は掛け布団を手に立ち上がると周囲の様子を見て回る。薄暗い部屋でありわずかに薬品の匂いがする気がする。ここは診療所なのだろうか?
床をよく見ると服らしきものが散乱している。何着かあったようだが、中にはズタズタに引き裂かれており服として使えないようなものも目立つ。女物で、自分のサイズに合い、なおかつ状態のいいものをひとまず拝借しよう。
サイズの合った白いブラウスに黒のロングスカートを身にまとう。肌寒いので黒いケープも貰っておこう。そうやって服を着ていくとアクセサリ類も結構残されているのが分かる。赤く細いネクタイと、白いリボンの巻かれた黒い帽子、どういうわけかこの二つに強く惹かれた私はササっとそれを装着。思わず鏡の前でクルクルと回ってしまった。
……と、こうしている場合ではない。あんな夢を見てしまった後なのだ。相棒、メリーにすぐに会いたい。私はこの薄暗い部屋を出ようとふすまに手をかけた。
だが、その直後に今度は地面ではなく周囲の空気が激しく震えた。ドカーンという爆音も響く。私は思わず帽子を押さえその場に這いつくばった。パニックになりながらも私はひとまず部屋を出て長い廊下を駆け抜け、そして出口を見つけ外へ飛び出した。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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