槐安通路は人の見る夢と関連のある通路と永琳は言っていたな。だが、このヒヤリとした空気に周囲にマスの目(グリッド)状に張り巡らされた光のラインは俺には違うものを想起させた。

貴方「まるでR-TYPEの逆流空間だな」
衣玖「あーるたいぷ?」

ああそうだった、ここに早苗さんはいないからそんなこと口にして誰も理解できない。永遠亭での「取引」を終えた俺は衣玖さんとダークヘリオス、そして今もバイパーの後部座席にチョコンと座っている朱理と共に槐安通路を突き進んでいる。どこかに月から避難した住民がいるらしいのだが、その姿はどこにも見えない。

朱理「退屈だわ。早く出てこないかしら、魚野郎」

こんなところで出くわしたらむしろ困る。ここにシーマがいるということは避難している月の民が襲われていることを意味するのだから。

貴方「月に到着すれば嫌というほど相手できるよ。それよりも永琳さんに頼まれた薬を運ばなくては……っ!」

前方で異様な魔力を感じる。何か大きい勢力が近づきつつあるのか?

衣玖「もしや新手のシーマ……いえ、ダークヘリオスは同胞の気配はしないと言っていますね。ではこの不穏な空気の流れは一体……?」

ただ一人「強者と戦える」と喜ぶ朱理を除き、近寄りつつある絶大な力に皆が身構える。俺もバイパーの魔力レーダーに目を通し他に異変がないかと見ていると、大きな魔力の塊から、いくつか小さな魔力が放出されるのが見えた。

朱理「構えて、何か攻撃してきたわ!」

俺は蒼い刃「レイディアントソード」を展開し、迎撃準備に入る。何が来る……? いや、心の底では実は分かっていた。だが、その事実は認めたくないものでもある。その思いとは正反対に最も想像したくなかった結末を迎え始める。

貴方「マスの目から離れろ!」

小さな魔力はジグザグに移動している。そして魔力レーダーによるとまるでマスの目を描くような軌道をしているのだ。恐らくは槐安通路全体に敷き詰められているマスの目(グリッド)に沿って小さな魔力はこちらに向かっているようなのだ。

果たして小さな魔力の正体が目視できる範囲にまで近づいてきた。光のラインを伝ってホログラム状のピンクと水色の球体が近づいてくる。反射的に俺はレイディアントソードで全てを斬り伏せた。

朱理「出たわね、磯臭い侵略者め!」
貴方「違うっ、こいつは……シーマじゃない。バイドだ」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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