永琳「あらあら、姫様に振られちゃったわね○○」
永遠亭を後にしようとした矢先、こちらを心配してるのか、おちょくっているのか、落ち着いた声が俺を呼び止めた。
貴方「永琳さん、聞いていたんですか?」
永琳「丁度前の患者の診察が終わったからね」
診療室を見ると塗り薬を受け取って今まさに帰ろうとしている蛍の妖怪(確かリグルとかいったか)の姿が見えた。腕に包帯を巻いていた彼女、恐らくはシーマの戦艦に襲われたときに怪我をしてしまったのだろう。この戦いを一刻も早く終わらせるべきだと俺は強く感じた。
永琳「月の都に行きたいのでしょう? 何も直接向かうだけではないのよ」
何か月に向かう方法を知っているようだ。俺は足を止めて本格的に話を聞く体勢に入った。
永琳「月に向かう夢を見ればいいの。ウドンゲも使った『槐安通路』ってものよ。私が門番に一声かければ部外者である貴方にも使えるでしょうね」
貴方「原理はよく分からないが、是非とも頼みたい!」
「渡りに船」とはまさにこのことだ。だが、永琳はどこか含みを持たせた笑みを浮かべている。さすがにタダでは使わせてくれないようだ。俺がそれを察した時、彼女は床に置かれている無数の小瓶が詰められていた箱を指さした。
永琳「ならばおつかいを頼まれて欲しいの。恐らく月の民もここに避難している筈なんだけれど、あそこにあまり長く居続けると精神に異常をきたしてしまうのよ。ずっと夢を見ている状態だからね。というわけで、その症状を緩和する薬を届けてほしいの。いつまであそこにいなくてはならないか分からないから……ね」
仕方あるまい。幸い大きな寄り道をするわけではないので俺はその申し出を飲んだ。永琳は「そう言ってくれると思った」と嬉しそうにしている。
永琳「ああそれとね、○○にもう一つ渡したいものがあるの」
何故か周囲をキョロキョロと見渡しながら、永琳は屈みながら懐から何かを取り出す。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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