(その頃、槐安通路……)
シーマとの戦争で疲弊して逃げ延びた先でバイドになんて襲われたらひとたまりもない。永琳さんとの約束を守るためにもこのバイドを始末しないといけないな。
月の民による避難所を守るべき銀翼を急がせたのだが、あのバイドに果敢に挑む少女の姿が目に移る。抜き身の刀を振り回し、青いグリッドロックを翻弄するように四方八方に飛び回っていた。彼女に迫る光のラインもまるで追いつけず、そして一閃。たった一撃でグリッドロックの瞳(グリッドロックの周囲に4つ存在する鉱石のような部位。瞳なだけあり、ここを潰すと視界も狭まるようだ)を2つも潰してしまった。
貴方「なんだあの剣士は?」
残る2つの瞳を潰すべく、好機を伺っている少女。激しく動き回るたびにポニーテールにした紫色の長髪がぶるんぶるんと揺れ動く。再び狙いを定めているようだが、その背後からは赤いグリッドロックが迫っていた。だというのに彼女は無反応だ。まずい、アレは全然気付いていないぞっ。
貴方「コンパク、ゆっくり霊夢! 準備はいいか?」
紫髪の少女の背後を庇うようにアールバイパーを飛翔させ、赤いグリッドロックの瞳に狙いを定める。
貴方「操術『サイビット・サイファ』!」
白い霊魂と霊夢の頭部を模した生命体が赤いグリッドロックの瞳目がけ体当たりを仕掛ける。瞳にヒビが入るとそれをかち割ったようだ。
紫髪の剣士「なっ、お前地球人か? 邪魔をしないでくれ!」
貴方「『邪魔』とはとんだご挨拶だな。獲物は2匹いるんだから1匹分けてくれよ?」
確かに一度の攻撃で弱点である瞳を2つ潰した少女はかなりの達人なのだろう。恐らくは妖夢以上だ。
紫髪の剣士「しかし、貧弱な地球人が手伝うと言ってもただの足手まといに……」
貴方「だぁー、素直に好意を受け取れっての! どの道こいつら片付けないと永琳の依頼がこなせねぇんだ」
紫髪の剣士「八意様の!? 貴方一体……?」
物凄い勢いで驚かれている。実は俺も少し驚いている。永琳って本当に色々な人に慕われているのだなと。
白帽子の少女「んもぅ依姫ー、誰でもいいから早いとこやっつけちゃってよー!」
依姫「豊姫お姉さまっ、そうは言いますけど……分かりましたよぉ……」
依姫と呼ばれた剣士の少女の姉であろう白い帽子の少女は長い金髪をかき分けつつ桃をかじっている。いまいち緊張感が足りていないが、実に正論ではある。依姫も不服ではあるようだが共闘を認めてくれたようで、青いグリッドロックとの戦闘に集中し始めた。
ネメシス「ワタシタチノ、ツヨサ、アノフタリニ、ミセツケヨウ!」
さて、ネメシスもやる気を見せているようだし俺もコイツを片付けるとするか。久々のバイド退治だ、腕が鳴るぜ!
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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