ちいっ! あと少しの所で気付いたか。
だが、これで十分。お前は既に手遅れだ。



何処か勝ち誇ったようなグリッドロックは不意にこちらに接近する。ツヤツヤした表面はまるで鏡のように自らの姿を映した。

貴方「こ、こレは!?」

そこには醜い肉塊に取り込まれつつある銀翼の姿が映っていた。やられた! 俺は既に半分以上、アールバイパーごとバイドに取り込まれてしまっている。俺の精神が折れたから肉体がバイド化してしまったのだ。


人の心を持ちながらも仲間と思っていた人々に銃を向けられる。
そんな私が延々と抱いてきた苦しみをお前も味わうがいい!
無駄だぞ、今更この私を殺めても。貴様は既にバイドなのだ。
もはや誰も手を差し伸べてはくれまい。



こいつ、よりにもよってジェイド・ロス提督の幻を使ってくるなんて……絶対に許せない! だが、怒りの感情に呼応するように俺の肉体がさらにバイド物質に取り込まれていく。ちくしょう、これでは手が出せないじゃないか。どうする……?

依姫「何だか知らないが、隙だらけなんだよぉー!」

その赤いグリッドロックの背後で依姫が刀をブンと振るう。その腕前は見事と言わざるを得ないだろう。中央から真っ二つに割れ、グリッドロックは爆散したのだ。大物を斬りつけた依姫はまるで返り血を振り払うようにブンと刀を下に振る。グリッドロックのものと思しき光の粒子が飛び散ると、フウと一息。

結局A級バイドのつがいは両方ともあの依姫が倒してしまった。そしてこの俺をも手にかけようとしている。俺はキャノピーを開きその醜い姿をさらした。

貴方「寄るな、寄るなっ! アイツの話を聞いただろう? お前までバイド汚染するぞ!」

だが、依姫は止まる気配をまったく見せない。躊躇がまるでないのだ。そしてさらに距離を詰めていく。どうすればいい? そうだっ、こういう時こそ永琳にもらった「紺珠の薬」に頼ろう。今のをなかったことにしてバイド化する前に戻る、あるいはバイドという穢れを祓うことができるはずだ。俺は懐に手をやり薬を取り出そうとする。

依姫「妙な動きをするなっ、手元が狂うだろう!」

ひいいっ! 威圧された俺は思わずすくみ上ってしまった。そうしているうちにすぐ目の前までやって来た。そして……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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