(その頃、診療所倉庫跡……)
朱理「何よあの片翼の女、マスターとイチャつきたかっただけじゃない」
瓦礫に腰掛けながら○○とサグメの様子を遠くから眺めている朱理。そんな彼女の元にチョコチョコとやって来たのはネメシスとゆっくり霊夢である。遅れてコンパクも飛んできた。
ネメシス「シュリ、ソレハチガウ。マスター、ダレニデモヤサシイ」
ゆっくり霊夢「サグメお姉ちゃんに必要だったのは傷の治療じゃなくて心のケアだよ。だから○○が選ばれたんだ」
そうやって弁明する小さな生命体たち。言葉を発することのできないコンパクもふよふよと浮遊しながら頷いている。
朱理「誰にでも? その割には私をアールバイパーから追い出して……」
衣玖「もしかして妬いているのですか?」
朱理「ちがっ……///」
横に腰掛ける小さな人形に気を取られていると反対側から音もなく現れた衣玖さんに驚きおののく。
朱理「バカ言わないで。この作戦は私を月面のどこかに封印された兵器群の所に連れていくというものよ? 私がやられちゃったら何もかもが無駄になってしまう。だというのにマスターは……」
衣玖「○○さんは放っておくと何もかもを背負い込んでしまうような人です。あの住職サマのようにね。私達地上の住民も月の民も、そしてシーマでさえも救い出して見せようとしています。それで一人で悩み俯きながらもひたすら前に進み、途中で困っている人を見つけたら手を差し伸べてしまうような……そんな人です」
大真面目にそう語るリュウグウノツカイの妖怪。横ではダークヘリオスも無言で佇んでいた。
朱理「バカみたい……」
居心地が悪くなったのか、朱理はサグメ達から目を逸らした。
ゆっくり霊夢「なんで素直に『すごーい』って言わないんだろうね?」
衣玖「朱理さんにも色々あるんですよ。さて、彼らの為にも使えそうな薬を見つけなくては」
頭をかしげるゆっくり霊夢の頭を撫でながら、衣玖さんは今も顔をしかめる朱理に暖かなまなざしを送っていた。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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