後ろからサグメに抱き付かれて数分後……。ようやく廃墟探索組(っていうか俺とサグメ以外の皆さんなのだが)が戻ってくる。ゆっくり霊夢の頭に乗っかってるネメシスが傷薬らしきものを手にしていた。

貴方「見つけてきてくれたんだね、みんなありがとう!」

上海人形の小さな手から薬を受け取るとサグメの傷に塗りたくる。さすがは月の技術の薬といったところか、たちどころに傷がふさがったようだ。

サグメ「もう傷は完治した。感謝する」

バサッバサッと片方だけの翼を羽ばたかせて軽やかに空を飛んで見せた。

朱理「まったく、一時はどうなるかと思ったけど、これで本来のミッションに戻れるわね」

どこか距離を置いていた朱理がため息交じりに続けた。そうだった。数々の危険を冒してまで月面までやってきた理由、それは今も首領蜂隊と一進一退の攻防を続けているシーマを背後から叩くためだ。その為にはここ月面のどこかに封印されている兵器を目覚めさせなくてはならない。

朱理「兵器の封印された場所ならあらかた調べてあるわ。この都市部から離れたいわゆる『月の裏側』のどこかみたい。とにかくこんな場所はさっさと抜けてもっとしっかり探しましょ?」
衣玖「とはいえひっきりなしにシーマが飛び交っていてすぐに飛び立つわけにはいきませんね」

廃墟に紛れながら地上をゆっくりと移動することとなった。注意深く進軍したために大きな戦闘も起こらず、気付けばクレーターだらけの砂漠のような荒涼とした地にまでたどり着いていた。

サグメ「ここが地球からは決して見えない月の裏側」

シーマの反応らしきものは見られない。それはダークヘリオスが特に身震いしていないことからも分かる。やはり奴らは月の都を蹂躙するのが目的であり、こんな何もない砂漠のような場所を攻撃する必要性などないのだろう。

朱理「感じるわ。すぐ傍で兵器が封印されている。奴らが来ないうちに調べてみましょう?」

ピピピと電子音を発しながら朱理が砂と岩だらけの地面を撫で始める。このように見るからに怪しげな行動を起こしてもシーマの反応は見られない。

???「やっほー、こんなところで何してるの?」

むっ、誰だ? 封印された兵器を探している最中、おおよそ友好的とは思えない憎たらしい声が俺に話しかけてきた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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