俺とまがい物の月の間に割って入るように躍り出たのは紫色の長い体。そのままその鋭い牙で月を嚙み砕いてしまった。こいつは今ファイアフォスルと戦っている筈の……。

貴方「ダークヘリオス!」

言葉は交わされないが、俺はそのままサムズアップして見せた。グッジョブと。後ろではファイアフォスルと戦闘を続ける朱理と衣玖さんの姿が見えた。

朱理「マスターが苦戦しているようだからね。そのリュウグウノツカイもアイツと因縁あるみたいだしそっちに戦力を割いておくわ」

あちらもあちらでヒレを飛ばしたりダイナミックに空中を泳ぎ回ったり火炎放射を仕掛けてきたりと優勢とは言えない状態であった。彼女の注意が俺に向いた隙をファイアフォスルが見逃すはずもなく、多数の火炎弾を仕掛けてくる。

朱理「私は早く『宝探し』を始めたいのよ。邪魔しないでくれる?」

だが、朱理はこうなる事も予見済みのようであり、自らの体内に溜め込んでいたエネルギーを一気に拡散させ、周囲の弾幕を全て消し去ってしまった。

朱理「ハイパーシステム、起動。システム臨界点までカウントスタート!」

続いてファイアフォスルが赤色の「βビーム」で朱理を撃ち落とそうとするも、彼女は真っ向からそれに対抗するつもりのようで、オレンジ色の極太レーザーを撃ち出していた。

朱理「こんなデク野郎は二人で十分。だけど倒しても倒しても変な炎に焼かれながら何度でも立ち上がるのよ。ああメラメラと暑苦しい! そっちの妖精を止めないことには私達はジリ貧よ」

βビームを凌ぎきった朱理が再び攻勢に出る。対するファイアフォスルは再び口から火炎を吐き始めた。

しかし衣玖さんは何か難しそうな表情のまま俯いている。まずいぞ、理由は分からないが戦闘に集中できていない。そこめがけてファイアフォスルがブーメランのように回転する背びれを飛ばしてきた。

貴方「危ないっ……。間に合えっ、逆回転リフレックスリング!」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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