左回転する光る回転ノコゴリ。周囲の物体を吸引する能力を持っており、これのおかげで戦闘機の姿であるアールバイパーでもモノを掴むことが出来るのだ。俺は飛ばされた背びれ目がけてリングを射出。間一髪でリングに捉えると、そのまま機体をその場で回転させる。

大きく軌道がずれたファイアフォスルの背びれは衣玖さんの帽子をかすめて大きく弧を描いた。そのままブンブンと回転させると、そのままファイアフォスルに投げ返す。赤い鱗に着弾したが大したダメージは与えられていないようであり、ひるむ様子を見せていない。

まあいい、衣玖さんを助けることが出来たのだからな。

貴方「大丈夫かっ?」
だが彼女は今も放心状態である。いや、何かつぶやいているようだ。注意して耳を傾けてみる。

衣玖「炎……風圧……響く衝撃……。はっ! ○○さんっ、朱理さんっ、この状況をひっくり返す秘策を思いつきました! この月には大気があるんです! 大気さえあれば私の『空気を操る程度の能力』が使用できます」

どういうことだ? 俺はほとんど銀翼の中にいるから実感がわかなかったが、そういえばさっきから衣玖さんは月面で生身でいてもへっちゃらな感じであった。なるほど、言われてみれば当然である。だが、それがどう秘策に繋がるんだ?

衣玖「この作戦を実行するには非常に時間がかかります。そこでお願いなのですが、○○さん、朱理さん、そしてダークヘリオス、どうか時間稼ぎを行ってください」

具体的な内容までは分からなかったが、このまま戦っていても敗北が見えている。ここは彼女の奇策に委ねよう。

今も松明を掲げ続けるクラウンピースと再び対峙する俺とダークヘリオス。今こそ反撃の時だっ……多分!



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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