(その頃地上、魔法の森入り口付近では……)
ゴーレムが死に際に残した「八雲」の名のつく妖怪の名前。その足取りを追うべく、白蓮と蓮子は魔法の森の入り口まで赴いていた。目的地は香霖堂、ゴーレムの雇い主が出入りしていたという場所だ。
白蓮「香霖堂といえば店主の霖之助さんです。彼女は霖之助さんとどんな関係なんでしょうか……?」
間もなく森の入り口あたりにひっそりとたたずむ小屋が見えてきた。近くで蓮子と一緒に着地すると意を決してお店の中へと足を進める。
霖之助「いらっしゃい」
気だるげに何かの本に目を通しながら一応の応対をしていた霖之助。白蓮は単刀直入に店主に問う。
白蓮「ごきげんよう霖之助さん。ここ最近妖怪のお客さんが多いようですね。確か、八雲……というお名前だとか」
その名前を聞くや否や表情を引きつらせる霖之助。この男、何か知っている。鈍感な白蓮でさえ気づくほどに霖之助は狼狽していたのだ。
白蓮「やはり、私の命を狙う妖怪は頻繁にここに出入りしていたようですね? 彼女について教えてください、私も蓮子さんを守り切りながら戦うのには限界がありますので」
ジリジリと霖之助に近づく白蓮。対する霖之助もそれから逃れるべく足をすらせて後ずさりをするが、彼の体が壁に到達するのにそう時間はかからなかった。白蓮の真っ直ぐな視線に晒され、逃げ場を失った霖之助はガクリと肩を落とし、とうとう観念したようだ。
霖之助「やれやれ、僕の負けのようだ。確かにここに頻繁に出入りしている妖怪はいる。だが、彼女がどうして君の命を狙っているのかまでは分からない。誓ってもいい、僕は別に君に敵意を抱いていない。恐らくは彼女の独断……」
その直後のことであった。電撃を纏ったクナイ型の弾が何処からともなく飛んできて、霖之助の首筋に突き刺さる。対象を痺れさせる効果を持ったものらしく、殺傷能力はなさそうであったが、膝をついた状態で霖之助は動けなくなってしまった。
白蓮「霖之助さんっ!」
そんな彼に気をかけたその一瞬を狙い、大きな影が白蓮の真後ろをかすめ飛ぶ。不意打ちか? いや、標的は白蓮ではなくその後ろの……。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら