あの月を砕くには俺だけの火力では足りない。ここは「相方」と息を合わせる必要がある。

貴方「もう一度バーストリンクを決めるぞっ」

横目でダークヘリオスをチラと見てサインを送ると、エラを変形させてダークヘリオスがバーストの準備に入る。出来るだけ銀翼をその長い巨体と寄り添うように近づけると、こちらもネメシスにバースト砲を撃たせる。

二つに合わさったバーストが偽物の月に着弾。わずかに回転が弱まり、こちらに迫る勢いが弱まるものの、完全には止まらない。

貴方「うおぉぉ!」

心が折れてはいけない。更に気合を入れてバーストを撃ち込む。ようやく3つあるうちの1つを打ち砕いた。だが、他の月を対処する猶予は俺達には残されていなかった。

すんでの所でダークヘリオスが尾を伸ばして俺を庇う。月が紫色の巨体にめり込んでいく。

貴方「無茶をするな! お前だって手負いだろう?」

唸り声を上げながら2つの月型弾を押し返そうと踏ん張るダークヘリオス。それでもその勢いは止まることなく、ガリガリと体が削れているのがこちらからも分かった。

貴方「もうやめるんだ! それ以上は……」

口元でニヤリと笑ったのはクラウンピース。不意に月の勢いが増してダークヘリオスは弾き飛ばされ、その後ろにいた俺も思い切り上から殴りつけられるように月型弾に被弾、地面に叩きつけられた。

見上げると朱理もファイアフォスル相手に押されているのが分かる。倒しても倒してもその炎を再び灯し、何度でも立ち上がるのだ。消耗戦に持ち込まれてはこうなる事は分かっていた。

朱理「さすがに……疲れてきたわね。ねえ衣玖、準備はまだできないの?」

強がっているつもりなのだろうが、その声に最早覇気はない。衣玖さんからの反応も特にみられない。

クラウンピース「あははは、あたい達は『友人様』がいる限りたちどころに蘇っちゃうのさ。じゃあそろそろオシマイにしようか。ファイアフォスル、でっかいのよろしくね♪ イッツ、ルナティックターイム!」

高々と松明を掲げ、高く飛翔すると、そこから眩い光を放つ。俺達にとどめを刺すために。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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