だが、衣玖さんにはこうなる事も予見済みであったようだ。クスクスと口元を手で覆いながら笑って見せている。
衣玖「ですから私の能力と妖精さんのまき散らした炎の熱で積乱雲が発生しているんです。雷だけで終わるわけないでしょう?」
直後、アールバイパーのキャノピーに大粒の水滴がポタリと落ちた。一つ落ちたかと思えば二つ三つと加速度的に増えていき、最後はザアザアと土砂降りになってしまった。
クラウンピース「えっ、雨? しまった……!」
このようなバケツをひっくり返したような大雨の中、松明の炎が維持できる筈もない。どうにか肉体の復活は終えたクラウンピースであったが、炎はすっかり消えてしまい、それ以上炎を発することは出来なくなってしまった。
朱理「天気を操作したって? 随分と掟破りなことするわね」
豪雨はファイアフォスルにも容赦なく襲い掛かり、モウモウと白い湯気をまき散らしながら、その熱は完全に奪われてしまっていた。湯気が晴れると、その巨体は力なく墜落し、動かなくなってしまった。あれだけ酷使されたのだ、敵とはいえ惨い最期ではある。
貴方「って、よく見るとファイアフォスルじゃないぞ! こいつは『クイーンフォスル』だ」
なんということだ、ファイアフォスルだと思っていたのは高熱のあまり金属の体が赤熱していたクイーンフォスルであったのだ。炎で焼かれるだけでも過酷だというのに、肉体が滅びかけると無理矢理炎で狂わせて戦わせていたのだ。
貴方「この腐れ外道めっ!」
逃げようとしていたクラウンピースを逆回転リフレックスリングで捕まえる。ずぶ濡れになり、松明の炎も失った彼女は最早何もできない。いまだ留飲は下がらないが、こいつを殺したところで事態は好転しない。むしろ生かさず殺さず無力化した状態で捕虜にした方があとあと有利になるだろう。ゆえに俺は捕まえるだけにすることにした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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