朱理「何のつもり?」
その行動が信じられないと言わんばかりに困惑しながら朱理はつっかかっている。
衣玖「やっぱり、こんなことはやめましょう。貴女達の作戦を進めていったら……」
言葉を詰まらせた衣玖さんはダークヘリオスに目をやる。その瞳はどこまでも悲しげであった。
衣玖「このままここの兵器を出撃させたらきっとシーマは全滅してしまう。そして、ダークヘリオスは一人ぼっちになってしまうわ」
元々は幻想郷を制圧しようとするシーマを倒すための作戦なのだから、当然である。だが、どうしてシーマは幻想郷を襲うのか、それはクラウンピースとその「友人様」とやらがそう狂わせて操っているからに他ならない。なるほど、確かに一理ある。だが朱理はというと……。
朱理「バカバカしい」
衣玖「なんですって……!」
さも呆れたと言わんばかりの口調で心からの訴えを斬り伏せてしまう。さすがに衣玖さんもこれには顔をしかめる。
朱理「そんなすぐにシーマなんて全滅しないわよ。そもそもこの封印を解くのにだって時間がかかるんだし。だからアンタ達は私に構わず行きなさい。私はここでするべき事を進めてるから、アンタはマスターと一緒に諸悪の根源を叩いて頂戴」
そうやって発破をかけるように衣玖さんを追いやる朱理。
衣玖「朱理さん……」
朱理「頭さえ叩いてしまえば戦争は終わる。さあっ、モタモタしている暇はない筈よ? 私達にアンタの友達の同胞を殺されたくなかったら、とっととピエロ野郎が言う所の『友人様』とやらを倒してきなっ!」
言葉に心打たれ衣玖さんは決意の面持ちを浮かべ、前を見渡す。
サグメ「奴の反応は近い。方向はあっちだ」
生命(穢れ)の象徴たる妖精も力を失ったとはいえ、いまだに月の民にとっては耐えがたい穢れが充満しているのか、サグメは銀翼のコクピットの中で一点を指さす。
豪雨の中、衣玖、ダークヘリオス、サグメ、そして俺はこの戦争を終わらせるべく、黒幕と対峙する。決戦の時は近い……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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