雷鳴に晒される水没した塔の廃墟、雷鳴に晒される御殿のなれの果て、雷鳴に晒されるクジラ……。
貴方「クジラだって!?」
雷鳴の中を悠々と泳ぐように飛行する頭のでかいハクジラの影を俺は確かに見た。あのデカブツを見間違うはずがない。あれこそシーマが誇る最強の巨大戦艦……。
貴方「『
グレートシング
』だ! 視界のきかない今ドンパチやり合うのは無謀すぎる。海の中に逃げよう!」
俺の一声で深淵の海に飛び込んだ直後、水上で多数の弾幕が放たれるのを確認した。肝を冷やしたぜ……。
衣玖「ダークヘリオス、どうしたの?」
水に飛び込んでから傷付いた紫色の巨体が何処かを目指す様に一直線にうねりながら突き進んでいく。こちらが制止する声も聴かずに一心不乱に。
貴方「理由は分からないが今孤立させるわけにはいかない。追いかけよう!」
水面からは今もグレートシングの追撃であろう多数の弾幕が撃ち込まれているようで、水しぶきを上げているらしい音が響いている。
貴方「衣玖さん、ついてこれる?」
俺は銀翼のスピードについてこれない衣玖さんに気が付き、コンパクに運ばせようとする。白い霊魂はたちまち妖夢の姿を取ると衣玖さんを背負い始めた。さて、本格的に追跡しますかっ。アールバイパー、フルスピード!
ほどなくしてダークヘリオスに追いついた俺達。すると今度は水面に向かって浮上を始めたのだ。ここに何かがあるというのか?
はぐれシーマに遅れること数秒、俺も水面を飛び出し再び月の空を目の当たりにした。そう、月の空である。黒い雷雲ではなく星の瞬く美しい夜空。そう、この周囲だけは晴れ渡っておりまるで台風の目の中に入り込んだような気分だ。周囲を見渡すと黒雲の壁で覆われている。
そしてその中心にいたのが……。
サグメ「やはり黒幕は貴女でしたか、純狐!」
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら