いつの間にかサグメは銀翼の外に飛び出して、この場の中心に佇む一人の女性に食って掛かっていた。黒と赤の目立つ袍服に黒のロングスカート、見事な金髪と頭にかぶった冕冠は中華的な雰囲気を醸し出している。色合いだけは朱理に酷似していた。
純狐「いかにも。嫦娥の取り巻きどもが穢れ一つに右往左往して実に滑稽なこと」
次の瞬間、奴の突き出した手が一瞬光ったかと思うとネメシスがぶら下げていたずぶ濡れのクラウンピースが一瞬のうちに発火した。燃え尽きたかと思うと、気付いたころには純狐のすぐ傍にいた。
純狐「そうして下した嫦娥の一手は……くくく、薄汚れたはぐれシーマにノッペリとした変な鳥の妖怪1匹。この私も舐められたものだな。それとも、本当にこの私に勝てると思ったのか、この道化どもがぁっ!」
それはあまりに単純であった。隙間なく拡散された光弾を放射させるというもの。まずい、隙間が小さすぎて間を潜り抜けることができないぞ。
貴方「レイディアントソード!」
ならば斬り伏せてやる。弾幕殺しの青い刃を振りかざすが……。
貴方「消えないっ!?」
レイディアントソードをすり抜けてこちらにまで迫ってきた。ダメだ、数が多すぎるぞ。こうなったらネメシスを機体前方に呼び寄せて……。
貴方「こうなったらバースト機関だ。叢雲『コンプレッション……」
バーストのエネルギーを照射させた部分に圧縮させるべく撃ち込み続ける。よしっ、今だ!
貴方「……バースト』っ!!」
その空間にたまりにたまったエネルギーが一瞬にして拡散する。拡散する光が弾幕を消し飛ばしていく。魔力を使い果たしたネメシスを格納すると光で目がくらんでいる隙に純狐の背後に回りグラビティバレットを撃ち込んでいく。回避行動を取らないのでそれらは綺麗に命中した。だが、まるで怯む様子を見せない。
純狐「そこらの野良妖怪ではこの私に傷一つ付けることなど出来ぬ。さて、月にシーマをけしかけるのをやめさせたいというわけだな? いわば貴様たちは月の都からの使者。ならば一つ提案だ。最強のシーマと戦って打ち勝って見せよ」
言い返す猶予も与えず純狐は高く飛びあがる。間髪入れずに暗雲の壁から巨大なマッコウクジラが飛び出してきた。さっき俺達を後ろから攻撃してきた奴で間違いないだろう。
純狐「この私と対話するに値するか見せてもらおう。さあ、至高の戦いを繰り広げ、この私を楽しませよ!」
随分と余裕ぶっているが、ああしている間は奴と戦わずに済む。グレートシングの強烈さは俺もよく分かっているし、お言葉に甘えてまずはあのクジラから仕留めることにしよう。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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