純狐「お見事よ。ああいった純粋なる殺意はいつ見ても素晴らしい。まるで研ぎ澄まされた刀のようだもの。ああ、その刀で嫦娥を斬りつけられればいいのだけど」
なんてこった、余裕ぶっこいてる。だが、彼女が今も呑気な理由が俺には分かってしまった。いや、誰だって分かるだろう。あんなに大きな後ろ盾がまだ残っているではないか。
貴方「聖なる母胎……『
ジ・エンブリオン
』!」
青色の体は綺麗に透き通っており、頭部と胸部だけは機械的なコアをのぞかせている。その姿は他のどんなシーマよりも異質な存在に見えた。まるで流氷の天使、クリオネである。
全てのシーマの母とも言える彼女。恐らくは月の都を襲撃させる尖兵も彼女が産み落とした存在だ。アイツを止めないといつまでも異変が終わらない。
純狐「嫦娥よ、見ているか! 絶望に打ちひしがれ放心したこいつらの間抜け顔を。何も私はこいつらに月の都を襲えとは命令していない。生れ落ちて、自らの意志でそうしているだけに過ぎない」
衣玖「そんな筈ないわ!」
今も余裕綽々にゆったりと話す彼女を遮るように叫んだのは衣玖であった。
衣玖「ダークヘリオスから聞いています。シーマは宇宙の均衡、平和を愛する種族だと。こんな戦争の道具になるようなことはしない筈です。狂気の炎の他にも何か貴女が一枚絡んでいる、そうとしか思えません!」
その必死の怒声もどこ吹く風とカラカラと笑う諸悪の根源。
純狐「平和を愛する? 本気で言っているのかしら? 闘争心剥き出しで一心不乱に月の都に向かっているようですが? どの道シーマが次々と生れ落ち、月の都を蹂躙しているのは事実。さあ、どうする?」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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