純狐の更に後ろに佇むクリオネ型シーマ艦「ジ・エンブリオン」。その彼女の体内では新たなマッコウクジラの頭が形成され始めていた。あのままだと再び最強のシーマ艦「グレートシング」と戦う羽目になってしまう。

純狐「ふはははは、産めや増やせやエンブリオン! この月を生命の息吹で満たすのだ!」

手を突き出して声高らかに叫ぶ黒幕。その声に呼応して狂気の妖精が復活した松明を振り回しながら、その炎でジ・エンブリオンを焼き始める。ドクンとクリオネの体が大きく脈動した。

貴方「や、やめろぉっ!」

そんなことされては月の都に穢れが蔓延り、月の民が暮らすことが出来なくなってしまう。それに幻想郷でのシーマと首領蜂隊の戦争も終わらずに、幻想郷までもが……。脳裏にそれがよぎると同時に俺は銀翼を急発進させていた。真正面に純狐を捉えると、オプションを展開させ、高速回転させる。

貴方「全無……」

その魔力を一気に俺に収束させる。アールバイパーがほのかに青い光で包まれ始める。

貴方「『αビーム』!」

青白い魔力そのものを光の粒子に変えてこの不届き者を駆逐せんと浴びせかける。だが、ビームは純狐の目の前でピタリと消えてしまったのだ。

貴方「バカなっ! 嘘……だろ?」
純狐「くはははは! 私の前では、私の『純化する程度の能力』の前では、いくら強大な力をけしかけたところで、純粋なる無に帰すのみよっ!」

恐らくはこの能力、エネルギーの類を純化させて濃縮するというのが本来の使い方らしいのだが、その逆も出来るという事らしい。特にこのαビームは純粋な魔力をぶつけるもの。特に相性が悪かったのだろう。

それにしても滅茶苦茶だ。今度はレイディアントソードを取り出して斬りつけてみるも、まるで風船で叩いたかのような手ごたえのなさしか感じない。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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