純狐「そんなデカい体したシーマのくせに赤ん坊の様にママママと……。やかましい!」
感情の赴くままに滅茶苦茶に弾幕を放ち始める。先程まで余裕を見せつけていたのに何か純狐の様子がおかしい。対するダークヘリオスも避けるそぶりも見せずにただただ「母親」との対話に専念している。
ママッ!
純狐「そいつに! 近づくんじゃ! ないよ!」
今度はその長い体に「殺意の百合」の種を撃ち込む。ダークヘリオスの体に百合の大輪の花が咲き乱れた。その破壊力は尋常なものではないだろう。
粉塵が晴れると、あちこちがボロボロになったダークヘリオスの姿があらわになった。紫色の装甲は所々が剥がれ落ちており、非常に痛々しい。
ママッ……
それでもヨタヨタになりながらもダークヘリオスはジ・エンブリオンに近づこうとする。ついには純狐本人が両者の間に立ちはだかり、両手を広げてゆく手を阻んだ。
純狐「どうしてっ、どうしてソイツをそうやって呼ぶの!? どうしてそんなに求めるの!?」
更に声を荒げる純狐は両目から大粒の涙をこぼしていた。
サグメ「そうか、そういうことか」
その様子を遠巻きに伺っていたサグメは何か合点がいったようである。
サグメ「奴には元々子供がいた。だが嫦娥の夫に殺されてしまったのだよ。つまり母を求める子の光景は彼女のトラウマを十二分に抉るものと言えるだろう」
少し心苦しいが、まともにやり合っても勝ち目のない相手である。利用すれば何か突破口になるのではないだろうか?
純狐「ええい、黙れ黙れ!」
手負いのダークヘリオスの周囲に人魂の様に揺らめく色とりどりの弾が現れると一斉に標的を襲い始めた。あの巨体で回避するのは無理だ。あれでは恐らく耐えきれない……。
純狐「ふうふう……。ようやく目障りなウナギ野郎を始末したわ。さあ、次に我に挑み無残に散りゆくものは……何ッ!?」
純狐の怒りの弾幕で無残にも穴だらけになった紫色の装甲が周囲に散らばる中、空中には相変わらず細長い影が残っていたのだ。ダークヘリオスは撃墜されたはず。ではそこにいるのは……?
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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