紫色の装甲の残骸が散らばる中、奴は姿を現した。眩い程に輝く金色のドラゴンといった風貌だ。

衣玖「ダークヘリオスの……中身?」
サグメ「そう考えるのが妥当だろう」

そうだった、ダークヘリオスというのは仮の姿。あの装甲の下に真の姿が隠されていたんだった。名前は確か……。


サイ……バリ……オン?



サイバリオン」だ。シーマの指揮系統を離れ、遠い宇宙で希望の象徴となった金色の龍。その姿を目の当たりにし、ジ・エンブリオンも一時的に意識を取り戻したようである。


ママッ! そうだよ、僕!


ボウヤ、かえって……きた……のね



今も狂気の炎に焼かれ苦しげではあるものの、紛れもなく母と子の姿である。ううむ、実に感動的な親子の再会だ。だがそれをよりにもよって純狐の目の前でやってしまった。

純狐「ぐぎ、ぐががが……!」

頭を抱えて苦悶の表情を浮かべている。かつては自分を慕って駆け寄ってくる存在があったであろう純狐。だが、今はどうやっても叶わない。火に油を、いやそんなレベルではない。火にダイナマイトでも注いだような状態だ。

純狐「……してやる」

冷徹な憎悪を浮かべた瞳を突き刺してくる。

純狐「殺してやる! このクリオネ型シーマ艦のボディで、貴様を八つ裂きにしてくれる!」

ほとばしるは純粋なる憤怒。ジ・エンブリオンを焼いていた狂気の炎がより一層強まる。


はなれなさい、ボウヤ
どうか、わたしを、とめて……



ダークヘリオス……いや、サイバリオンに離れるよう促す途中で、彼女は完全に狂気に飲み込まれてしまった。

純狐「信じていたものに大切なものを奪われる。その苦しみに苛まれながら……死ねぇい!」

クリオネの巨体がサイバリオンに、そして俺達に迫ってきた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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