爆ぜる火の玉、巻き起こる熱風。それを魔法で強化した脚力で一気に離脱した白蓮はそのまま嵐光の中心目がけて飛び蹴りを仕掛ける。一筋の流星の如く黄金色の光となった白蓮はそのまま嵐光を貫いた。

藍「やったぞ!」

中心に風穴を開けられた嵐光は真っ二つに割れて爆発、轟沈した。しかし甲高い悲鳴が響く。

蓮子「きゃああああっ!」

黒煙のせいで何が起きているのか白蓮には見えなかった。それでも蓮子に危機が迫っていることは容易に想像がつく。その足で白蓮は地上に急降下、そして着地。

白蓮「蓮子さんっ! 藍さんっ!!」

視界が晴れてくる。煙は風に吹かれ、状況がハッキリとしてくる。そしてそこで待ち受けていたのは……。

白蓮「!!!!!」

腹部を貫かれ鮮血をにじませている九尾の狐の姿があったのだ。その後ろでは蓮子が縮こまっていた。

藍「コんノ野郎っ!!」

その左手からクナイ型の弾が発せられる。すると周囲を高速で浮遊していた灰色の球体が次々と爆破されていった。だが、負傷した体には大きな負担だったか、口から吐血をし、遂に地面に仰向けに倒れ伏してしまった。

藍「やられた、完全に……不意打ちだった。まさか奴が死に際に小型ビットをばら撒いていたとは……」

今撃墜したのは嵐光の最後っ屁となる一撃だった。恐らくは蓮子を狙っての攻撃を藍がその身をもってして庇ったと考えるのが妥当だろう。

蓮子「そんなっ。藍っ、死なないで!」

その叫びもむなしく、藍の呼吸が弱まっていく。素人目に見ても致命傷を受けているのは確かだ。今も穴の開いた腹部から血がにじみ出ている。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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